サラリーマンは通常は会社の源泉徴収で所得税を納税します。しかし、賃貸経営で家賃収入がある場合には、確定申告をする必要があるのです。

今回は、サラリーマン大家に向けて、確定申告に必要な書類や申告方法を解説していきます。

サラリーマン大家は確定申告すべき理由

サラリーマンの方は、会社の源泉徴収で税金を納めている方がほとんどです。そのため、確定申告をしたことがないという方も多いでしょう。

しかし、賃貸経営などの家賃収入を得た場合には確定申告が必要です。確定申告はなにかと面倒なイメージがありますが、サラリーマン大家は専業大家よりも税金の還付を受けられるメリットがあります。

確定申告の流れと申告方法2つ

確定申告の流れは以下の通りです。

毎月（日々）の帳簿記入
必要書類の準備
確定申告書の作成
確定申告書の提出
税金の納付・還付

基本的な流れは上記の通りですが、確定申告には青色申告と白色申告の2種類があります。まずは、それぞれのメリット・デメリットを見ていきましょう。

特別控除も受けられる青色申告

青色申告の特徴は、特別控除が受けられることです。青色申告のメリット・デメリットは以下のようになります。

【メリット】
・65万の特別控除：5棟10室、10部屋以上を所有しているなどの条件により、収入から65万円を引ける
・赤字の繰り越し：赤字が出ても3年繰り越しが可能
・家族への給料が全額経費に計上できる
・30万円未満の減価償却を一括経費にできる
・オフィスが自宅の場合、家賃や光熱費の一部を経費にできる

【デメリット】
・申告書の提出が必要
青色申告をするには、その年の3月15日までに「青色申告承認申請書」を提出しなければいけません。年度途中で開業した場合は2ヶ月以内に提出する必要があり、間に合わなかった場合は、翌年からになってしまいます。

・複式簿記で記帳しなければいけない
複式簿記の記入には専門的な知識が必要です。会計ソフトの導入や、税理士への依頼料などのコストも考えられます。

手続きが簡単な白色申告

白色申告は青色申告と違い、事前に申請する必要はありません。それでは、白色申告のメリット・デメリットを見ていきましょう。

【メリット】
・事前申告の必要がない：青色申告と違い、事前に承認申請書の手続きが不要です。
・記帳が簡単で手続きも簡単：簡単な記帳と収支内訳書の提出のみで確定申告が可能です。青色申告と違い、計算も楽で書類作成の負担が少なく済みます。

【デメリット】
・特別控除が受けられない：白色申告は特別控除が受けられないので、10万円までの控除となります。
・赤字を3年間繰り越せない：地震や台風などの災害で建物に被害がない限り、赤字が出ても翌年以降に繰り越すことができません。

確定申告に必要な書類

確定申告に必要な書類は以下の通りです。

・本人確認書類
・印鑑
・所得がわかる書類
・所得控除・税額控除の証明書類

サラリーマン大家の確定申告のポイント

実際にサラリーマン大家が確定申告する際、以下のポイントがあります。

・毎月の収入を記入しておく
・毎月の支出を計算しておく
・賃貸経営にかかる経費を把握しておく
・必要書類をあらかじめそろえておく

赤字の場合でも申告は必要

赤字の場合、所得税は発生しませんが申告は必要です。とくに青色申告の場合は、翌年に繰り越せるというメリットがあります。

確定申告後に書類の不備に気づいたらすぐに修正しましょう

サラリーマンは、通常であれば確定申告の必要がありません。そのため、慣れない確定申告に不備が発生する可能性が考えられます。確定申告には期限があるため、不備に気づいたらすぐに修正しましょう。

確定申告を楽にするコツ

ほかに仕事をもつサラリーマン大家にとって、確定申告にかける時間があまりないという方も多いのではないでしょうか。ここでは、確定申告を楽にする方法を見ていきましょう。

税理士に依頼する

毎月の収支を把握することが大事とはわかっていても、本業が忙しくなかなか時間が取れないという方も多いでしょう。そのような場合は、税理士に任せるというのも一つの手です。

インターネット経由で確定申告する

ICカードリーダーと電子証明書を用意すれば、インターネットでも確定申告を行えます。また、インターネットで作成した書類を税務署に送付することも可能です。

確定申告をしてサラリーマン大家のメリットを享受しましょう

今回は、サラリーマン大家に向けて、確定申告に必要な書類や申告方法を解説しました。確定申告は面倒なイメージがありますが、サラリーマン大家にとって税金の還付が受けられるなどのメリットがあります。自分にあった確定申告を選んで、適切な節税や納税を行なっていきましょう。