【アパート経営のコスト削減】共用部の電力会社切り替えで電気代を削減しよう
アパート経営で気になるのが、建物の管理にかかるコストではない […]
アパートの経営において大家さんが気になるのはコストのことではないでしょうか。必要な経費とわかってはいるものの、少しでも削減したいのが本音でしょう。
コストの削減に向けてガス会社の見直しに力を入れている大家さんも少なくありません。今回は都市ガスを導入している大家さん向けに、都市ガス会社の見直しについて解説していきます。
目次
一般的に都市ガスは、プロパンガス(LPガス)と比べて料金が安いこともあり、導入後はそのまま変更なく使用することがほとんどです。しかし、2017年4月からスタートした都市ガスの自由化によって、ガス会社の見直しを検討している大家さんが増えています。
アパートを建ててから変更していない、オーナーチェンジ後にガス会社を引き継いだままになっているという大家さんは、この機会に見直してみることをおすすめします。
ガスには大きく分けて、都市ガスとプロパンガスの2種類があります。ここでは、ガスの種類と違いについて解説していきます。
都市ガスとはメタンガスが主流の液化天然ガスのことで、地中に埋まっているガス導管を通して住宅に供給されます。また、都市ガスには規格がいくつかあって、主に使用されているのは、13Aと12Aという規格です。
これらの数字は1立方メートルあたりでの発熱量を表していて、大きい数字である13Aの方が発熱効率は高くなります。またアルファベットは発熱速度を表しており、Aは遅い、Bは普通、Cは速いという意味になります。
都市ガスはマイナス162℃まで冷やすと液体となり、1/600の体積になるのが特徴です。空気より軽いという性質を持っているので、ガス漏れの警報機は上部に設置します。ガス自体に匂いはありませんが、ガス漏れの際に気づくことができるよう、匂いが付けられています。
都市ガスのメリットは、料金が安いこと、ガスタンクの設置が必要ないことがあげられます。デメリットとしては、対応エリアが限られることや、プロパンガスと比べると火力が弱いことでしょう。
プロパンガスとは、石油ガスを液化したもので、正式名称は液化石油ガスといいます。LPガスと呼ばれるのは、液化石油ガス(Liquefied Petroleum Gas)の頭文字によるものです。プロパンガスはボンベに充填された後、住宅などに供給されます。
また、プロパンガスはマイナス42℃まで冷やすと液体になり、1/250の体積になるのが特徴。プロパンガスは空気より重いため、ガス漏れの警報機は下部に設置します。
プロパンガスは、決まった対応エリアがないので、どこでも使用できるのがメリットです。また、都市ガスと比べると火力が強いのもメリットでしょう。ただ、料金はガス会社によって様々で、高めに設定されていることが多いのはデメリットといえます。
都市ガスと比べると、プロパンガスは高いというイメージがあり、プロパンガスの物件は敬遠されがちでした。しかし、現在はプロパンガスを安く供給する会社が増えたため、プロパンガスの物件も需要はあるといえます。
また、ガスと電気、通信事業などを一括で行っている会社と契約すれば、値引きの可能性もあります。光熱費やインターネット費用が安いことをアピールすれば、空室対策にも効果的でしょう。
さらに通信事業を行っているガス会社によっては、インターネット回線を工事費無料で導入できるといった特典がある場合も少なくありません。特にインターネット回線は入居の決め手になることが多いので、空室対策に効果的です。
ガスの給湯器などの設備は、大家さんの負担で揃える必要があり、故障があった場合も大家さんが負担しなくてはいけません。給湯器の寿命は10年程度で、価格は15〜20万円が一般的です。
しかし、ガス会社によっては、給湯器やガスコンロを無償で設置してもらえる場合があります。給湯器の買い替えやリース代にかかる費用が節約できるのは、大きなメリットだといえるでしょう。
また、ガスコンロ付きの物件であれば新たに設備投資する必要がなく、入居者にとってもメリットとなります。ガスコンロなどの設備を揃えるだけでも、入居率のアップにつながるでしょう。
前述の通り、ガス会社を見直すことでガスコンロを無償で提供できたり、インターネットを無料で導入できたりするなど、多くの設備が充実することになります。物件価値が上がるため、長く住んでくれる人が増えて更新率のアップにもつながるでしょう。
最後に、都市ガスを見直す際の注意点を2つご紹介します。
プロパンガスは、設置の際に費用がかかります。費用は一般的にプロパンガス会社の方で負担しますが、導入してすぐ解約されたのでは損失が大きくなるため、契約期間を設けている会社も少なくありません。契約期間に途中解約してしまうと解約金が発生する場合がありますので、契約の際は十分に確認しておきましょう。
2021年、「液化石油ガスの保安の確保及び取引の成果に関する法律施行規制の一部を改正する省令」が改正されたことにより、ガスの種類を変更する際は入居者への通知が必要となります。
既存の入居者には契約書を作成して、再契約をする必要があります。また、不動産の募集資料の変更も必要なため、プロパンガスへ変更した際は、不動産会社への連絡も忘れないようにしましょう。
今回は、都市ガスとプロパンガスの違いや特徴、プロパンガスへ切り替えた際のメリットや注意点もご紹介しました。ガス会社を見直すことで、アパート経営の経費削減につながります。入居者の方へもさまざまメリットがありますので、物件の価値を高めて、入居率のアップを図っていきましょう。