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防犯対策やいたずら防止のために、防犯カメラの設置を検討している大家さんも多いでしょう。防犯カメラは入居者に安心感を与え、周辺の賃貸物件と差別化を図れる設備のひとつ。オートロック等の防犯設備を導入できない物件であれば、最低限防犯カメラを導入するのがおすすめです。
今回は、賃貸物件に防犯カメラをつける際の3つのポイントと、防犯カメラの種類について解説します。
目次
賃貸物件に防犯カメラを設置する際には、以下の4つのポイントを押さえましょう。
①防犯カメラの目的に応じた設置場所、撮影範囲
②防犯カメラ作動中のステッカーを貼る
③防犯カメラ映像の取り扱いには細心の注意を
それぞれ解説していきます。
防犯カメラの設置場所や撮影範囲は、目的に合った場所に設置しましょう。一般的にはエントランスやエレベーターなどの共用スペースに設置することが多いです。ほかにも「ゴミの不法投棄対策ならゴミ置き場」、「無断駐車や盗難対策なら駐車場」というように、目的に応じて設置します。
なお、設置の際には入居者のプライバシーに配慮する必要があります。室内の様子や玄関、郵便受けや宅配ボックスの暗証番号が映らない場所に設置するよう、十分に注意しましょう。
防犯カメラ作動中のステッカーを貼ることでカメラの存在が強調され、犯罪抑制の効果が期待できるため、防犯カメラ作動中のステッカーを貼るのがおすすめです。
また、ステッカーによって住人に防犯カメラ設置の目的を示すことができます。
防犯カメラで取得した画像で個人を識別できる場合は個人情報に該当するため、利用目的を本人に通知・公表しなければなりません。個人情報保護法でも、以下のように明記されています。
『個人情報取扱事業者は、個人情報を取得した場合は、あらかじめその利用目的を公表している場合を除き、速やかに、その利用目的を、本人に通知し、又は公表しなければならない。』(個人情報保護法21条)
しかし、防犯カメラの設置は「防犯」が目的のため、法的には設置の公表が義務づけられているわけではないのです。
ただ、個人情報保護委員会では、『防犯カメラが作動中であることを店舗等の入口や設置場所等に掲示する等、防犯カメラにより自らの個人情報が取得されていることを本人において容易に認識可能とするための措置を講ずることが望ましい』と述べています。プライバシー侵害を訴えられる可能性もあるため、防犯カメラ作動中のステッカーを貼るのがベストです。
参考:個人情報保護委員会『「個人情報の保護に関する法律についてのガイドライン」に関するQ&A』
また、ステッカーを貼ることで防犯カメラの存在が強調され、犯罪抑制の効果が期待できるため、防犯カメラ作動中のステッカーを貼るのがおすすめです。
共用スペースに防犯カメラを設置した場合、カメラが作動している間は、入居者や来訪者の顔が撮影されることになります。
空き巣や不審者の対策、治安維持などを目的として防犯カメラを設置する場合、原則として事前に入居者へ防犯カメラの設置を告知する義務はありません。
しかし、個人のプライバシーへの配慮が求められる世の中ですので、入居者とのトラブルを避けるためにも、以下の点は、あらかじめ入居者に連絡しておくと良いでしょう。
・防犯カメラを設置する目的
・設置場所と撮影範囲
・映像の記録方法、保存期間
・映像の取扱(閲覧権限など)
防犯カメラの映像や画像の管理には細心の注意を払いましょう。個人情報保護法でも、以下のように定められています。
『個人情報取扱事業者は、違法又は不当な行為を助長し、又は誘発するおそれがある方法により個人情報を利用してはならない。』(個人情報保護法19条)
また、以下のような条文もあります。
『個人情報取扱事業者は、利用目的の達成に必要な範囲内において、個人データを正確かつ最新の内容に保つとともに、利用する必要がなくなったときは、当該個人データを遅滞なく消去するよう努めなければならない。』(個人情報保護法22条)
ずさんな管理で紛失したり、流出したりすると重大な問題につながります。防犯カメラの映像を適切に管理するためにも映像の保存期間を決め、第三者が閲覧できない保管方法やアクセス制限などを設けましょう。
また、防犯カメラの映像を記録する媒体は、HDDやSSD、クラウドなど多岐にわたります。容量やコスト、セキュリティなどを考慮し、自分に合った記録媒体を選びましょう。
賃貸物件に設置する防犯カメラの種類は、「屋外用カメラ」と「屋内用カメラ」の2種類です。さらに、カメラ以外に周辺機器もそろえる必要があります。ここからは、それぞれの特徴をお伝えするので、設置場所に合った防犯カメラを選びましょう。
屋外用カメラは、屋外設置に欠かせない防水や防塵機能がついています。夜間撮影機能が備わっており、画素数が多いほど映像が鮮明になります。なお、画素数は200〜400万程度が一般的と言われています。
広い駐車場や死角が多い場所では、広角の防犯カメラを選ぶと良いでしょう。広範囲を撮影できれば、万が一犯罪が起きた場合でもより多くの情報を得られます。
屋内用カメラはエントランスやエレベーターなどに設置します。暗い場所でも鮮明に撮影できるものや、広角撮影ができるカメラを選ぶのがおすすめです。
屋内用カメラの場合も、画素数が多いものを選ぶと良いでしょう。画像が荒いと重要なポイントが認識できず、効果的ではありません。
防犯カメラを設置する際には、映像を確認するモニターや記録するレコーダー、それらを接続するケーブルが必要です。そのため、周辺機器をそろえたり、接続が面倒だったりする場合は「ネットワーク防犯カメラ」を選択するのもひとつの方法です。
ネットワーク防犯カメラがあれば、撮影した映像を手持ちのスマホやパソコンから見ることができます。ネットワーク防犯カメラならモニターやケーブルは必要ありませんし、またデータをクラウドに保管すればレコーダーも不要です。
また、インターネット事業者がネット回線と防犯カメラをセットで提供している場合も多く、一緒に導入することでコストが抑えられます。「無料インターネット」は人気の設備であるうえ、防犯カメラがあればセキュリティ面をアピールできることから、空室対策や差別化のためにセットで導入する事例が増えているのです。
防犯カメラの導入は、「購入」または「レンタル」の2つの方法があります。それぞれのメリットとデメリット、料金相場を考えながら防犯カメラを導入しましょう。
防犯カメラを購入する場合の料金相場は、1台10万円以上が一般的です。設置工事をセットで依頼できる業者も多いので、手間や時間をかけずに防犯カメラを導入できます。
購入する場合は初期費用がやや高額になりますが、ランニングコストはほとんどかかりません。しかし、故障した際に修理費がかかることが多く、場合によっては高くついてしまう点には注意が必要です。
メリット デメリット
・ランニングコストを抑えられる
・長期的に見るとコストが割安になる ・初期費用が高い
・故障した際にメンテナンス費がかかる
防犯カメラをレンタルする場合の料金相場は、月額5,000〜10,000円が一般的です。初期費用はほとんどかからず、設置工事やサポート体制が整っている点がメリットです。
一方で、月額費用がかかるため、長期的に考えると購入した方が安くなることもあります。
メリット デメリット
・初期費用を抑えられる
・サポートが充実している
・簡単に導入できる ・ランニングコストがかかる
防犯対策として、ダミーの防犯カメラを設置する方法もあります。ダミーの防犯カメラは工事やメンテナンス、映像管理をする必要もありません。また、「防犯カメラがある」と思わせることで、迷惑行為や犯罪を防ぐ効果が期待できます。
ダミーの防犯カメラを設置する際には、「ダミーであることと見抜かれないようにする」ことがポイントです。たとえば、以下のような場合はダミーと見抜かれる可能性があります。
・おもちゃのような防犯カメラを設置している
・屋外なのに、屋内用カメラが取り付けられている
・ケーブルなどの配線が設置されていない
安っぽい防犯カメラや、カメラの種類と設置場所が不自然な場合はダミーカメラと気づかれる可能性が高いです。ダミーカメラを設置する際も、カメラ本体は本物を買うことをおススメします。
防犯カメラ以外にも、以下のような設備を設置するのも防犯対策に役立ちます。
・センサータイプの防犯ブザー
・ドアの人感センサー
・補助錠
・スマートロック
・防犯フィルム
特にドアの人感センサーは小さいサイズで設置していることに気づかれにくいので、最優先で設置する人も少なくありません。また、少々アナログではありますが、防犯フィルムも効果的で、窓からの侵入を防ぐこともできるでしょう。
防犯カメラさえ設置すれば安心・安全というわけではありません。ほかのセキュリティと併せて設備を拡充し、入居者が安心して暮らせる賃貸物件にしましょう。
賃貸物件に防犯カメラを設置することで、迷惑行為や犯罪の抑止につながり、入居者の獲得も期待できます。大家さんとして安全な賃貸物件を提供するためにも、防犯カメラは必要な設備です。予算やカメラの種類などを考慮し、所有する賃貸物件に合った防犯カメラを設置しましょう。