【簡単】賃貸経営の利回りと計算方法!
賃貸経営を考えるときには、利回りを計算しておく必要があります […]
賃貸物件の経営を始めると、入居者からのさまざまな苦情やクレームに直面する場面があります。その中でも特に多いのが、「隣人や上の階の住人の騒音がうるさい」といった騒音トラブル。騒音トラブルを放置すると、大家さんにとってたくさんのデメリットがあるのはご存知でしょうか。
今回は、騒音トラブルの責任範囲や正しい対処の方法をご紹介します。
目次
賃貸経営をする上で、誰しもが受けたことがあると言われる騒音に対するクレーム。入居者間のトラブルとして最も発生しやすい騒音トラブルは、解決が難しく、正しく対処しないと更なるトラブルに発展してしまう問題です。
特に騒音トラブルが多いパターンが、下記の2つです。
・小さな子どもがいる家族が住む賃貸物件
・生活時間がさまざまな入居者が住む賃貸物件
どのような騒音トラブルが起きるのかを見ていきましょう。
子どもがいる家庭ばかりが集まるファミリーマンションの場合は問題になりづらいのですが、家族や単身者などさまざまなタイプの入居者がいる賃貸物件は騒音トラブルが多くなりがちです。「小さい子どもだから仕方がない」と考えるファミリーと、一日中騒音に悩まされる単身者の間で、トラブルになってしまいます。
深夜や早朝といった比較的静かな時間の生活音は、普段だと許されるほどのボリュームでも「騒音」だと感じる場合が多いです。それによって睡眠を妨害されると、騒音トラブルとして大家さんにクレームがいくケースもあります。
大家さんには、家賃の対価として良好な住環境を提供する責任があります。そのため騒音トラブルの場合は、騒音主に注意しなければならない責任があるのです。もし、賃貸物件の管理を委託している場合は管理会社の責任になるので、誰の責任かをはっきりと理解しておきましょう。
騒音トラブルが発生しているにもかかわらず対応を怠った場合、騒音トラブルの被害者から引っ越し費用や損害賠償を請求される場合があります。クレームを受けたらすぐに対応することを心がけてください。
入居者に害が及ぶ欠陥がある賃貸物件は、入居者に対して告知をする必要があります。入居者に害が及ぶ欠陥(=瑕疵)とは基本的に以下の3つです。
・物理的な瑕疵:雨漏り、設備の不調など建物に関する欠陥
・心理的な瑕疵:自殺、事件などがあった事故物件など嫌な思いになる欠陥
・環境的な瑕疵:騒音、悪臭、日照阻害など生活環境に関する欠陥
しかし環境的な瑕疵は人によって感じ方が異なるので、判断が難しいとされています。以前に何度も騒音トラブルが起きたことがある場合や、大家さんが気付いている場合には事前の告知義務があります。
万が一、騒音問題を把握していたにもかかわらず告知しなかった場合は、以下のようなペナルティが発生します。
・さかのぼっての契約解除
・慰謝料の請求
入居者との信頼を確立するためにも、騒音トラブルは必ず告知をしましょう。
騒音主に退去を求める場合、「賃貸借契約書の契約解除に関する規定」が重要です。賃貸借契約に、他の借主への迷惑行為禁止など、騒音に関する記載があれば、退去を要求することができます。
騒音の主がトラブルを認めなければ一方的に退去の要求はできません。その場合は、騒音の大きさや、何度注意しても収まらず貸主と借主の信頼関係が壊れた、ということがわかる証拠を持って退去を要求すると良いでしょう。どうしても騒音主が認めないとなると、最終的には裁判で争うことになります。
トラブルの原因の騒音が環境基準(40~60デシベル)を超えていない場合は退去の要求が難しいとされています。生活音のデシベルの基準は以下の通りです。
騒音の種類 | デシベル値 | 音の聞こえ方 |
掃除機の音 (1m離れた場合) |
60 | 声を大きくすれば会話ができる |
静かな乗用車 | 60 | 声を大きくすれば会話ができる |
家庭用クーラー (室外機) |
50 | 通常の会話が可能 |
図書館 | 40 | 聞こえる会話に支障なし |
静かな住宅地の昼 | 40 | 聞こえる会話に支障なし |
引用:日本騒音調査ソーチョー
契約解除できないレベルの騒音のクレームを受けた場合、どう対応すれば良いのでしょうか。ステップごとに対策を説明します。
・騒音トラブルが起きていることを入居者全員に周知する
・クレーム元の入居者と近隣の入居者に対してヒアリングを行う
・騒音主に直接改善をお願いする
・クレーム元の入居者に報告する
詳しい内容を説明していきます。
まずは賃貸物件内の掲示板やポストへの手紙投函などで、騒音によって被害を被っている入居者がいることを伝えます。入居者全員に周知することで、クレームが言えなかった入居者も意見が発しやすくなります。
騒音トラブルには被害者が敏感すぎるケースもあります。クレーム元の入居者はもちろん近隣の入居者に対してもヒアリングを行い、生活に支障をきたす騒音か、発生する時間などを確認します。
ここで重要なポイントは、どの入居者からクレームが出ているかを伝えないことです。入居者間のトラブルになることもあるので、「周囲から騒音の話が出ている」とやんわり伝えましょう。
クレームが感情論にならないうちに、どういった対応をしたのかを必ずクレーム元の入居者に報告しましょう。
入居者間でやり取りすると、更に大きな問題に発展しまうこともある騒音トラブル。どちらかに肩入れせず、第三者的目線で冷静に解決することが大家の使命です。また、入居者間でのやり取りを防ぐために、目安箱のような制度を導入し騒音トラブルの実情を把握することも重要です。
これまでの対応で騒音トラブルが収まれば良いですが、あくまでも素人対応なのでうまくいかないこともあるでしょう。騒音トラブルが長引く場合は、管理会社に任せることをおすすめします。管理会社はこういった賃貸物件トラブルに長けたプロフェッショナル集団。騒音トラブルはもちろん、それ以外に起こりうるトラブルに対しても正しく対応してもらえ、入居者にも安心して住んでもらうことができます。