賃貸物件のカビ対策で大家さんがすべきことは?立地や建物構造別にわかりやすく解説
高温多湿という気候の日本では、カビ対策をしておかないと至ると […]
所有する賃貸物件にハチやゴキブリといった害虫が発生してしまった場合、オーナーの責任はどこまで問われるのでしょうか。
対応が遅れてしまうと、入居者からのイメージダウンは避けられません。また、入居者の健康被害や建物のダメージにもつながる恐れがあります。。
今回は、害虫によって入居者に被害が出た場合の費用責任や、具体的な駆除方法などについて解説していきます。所有する物件に害虫が発生して困っている大家さんはぜひ参考にしてください。
目次
賃貸物件の居室内で害虫が発生した場合、基本的には駆除などの責任は入居者にあるとされています。
賃貸借契約において、入居者には一般的・客観的に要求される程度の注意をしながら生活を送る義務(=善管注意義務)が課されています。このため、害虫の侵入を防止する責任も、基本的には入居者にあると判断されます。
一方、大家さんが駆除費用を負担しなければいけない例外も存在します。どのようなケースが該当するのか、詳しい事例を見ていきましょう。
たとえば、以下の状況の場合は大家さんが駆除費用を負担しなければならない可能性が高くなります。
・入居者が引越してすぐに害虫が発生し、発生原因が入居以前からあったと考えられる場合
・賃貸物件の状態に問題があって害虫が侵入した場合
・害虫の発生原因が隣家だった場合
これらの状況は入居者の管理の仕方に問題があったとはいえず、入居者側に落ち度がないため、大家さんの責任になる可能性が高いといえます。
また、物件の共用部や、軒下など居室内以外の部分で発生した害虫に関しても、入居者の管理が及ばない範囲であるため、駆除する責任は大家さんにあります。
害虫は基本的には自然発生するものであり、業者に駆除を依頼しても完全にはなくならないことが多いです。また、害虫が発生した原因は特定しづらく、大家さんと入居者の間でトラブルに発展することも考えられます。
害虫によるトラブルを防ぐために、害虫駆除費用の負担については、あらかじめ契約書で特約を設けることをおすすめします。
たとえば、特約には善管注意義務に関する記述を明文化しておくこと。このほかにも、大家さんの責任や費用負担の範囲を明記しておくことで、大家さんに無限に費用負担が求められるといった事態を防ぐことができます。。
万が一賃貸物件に害虫が発生した場合、自治体や便利屋、駆除業者に相談するのが一般的です。やむを得ない事情で自ら駆除する場合は、害虫の種類によって駆除方法が以下のように異なります。
マンションの軒下など入居者の管理が及ばない範囲にハチの巣ができた場合、基本的に大家さんの責任で駆除しなければいけません。ハチの種類にもよりますが、場合によっては命の危険にもつながるため、できるだけ早く駆除する必要があります。
スズメバチなどの凶暴なハチの駆除は、条件がそろえば行政が対応してくれるケースもあります。自治体によって異なるため、管轄の行政窓口に確認してみるとよいでしょう。
自治体での対応が難しい場合は、便利屋やハチ駆除の専門業者に依頼しましょう。ハチやハチの巣の駆除には専門の道具が必要なため、自分でやろうとするのではなく、業者や管理会社に相談することをおすすめします。
一般的に、ゴキブリは周辺環境や生活状況によって外部から侵入するものなので、大家さんが駆除をする必要はありません。しかし、前の入居者や同じ賃貸物件のほかの住人に原因がある場合は、大家さんに対応義務があります。
ゴキブリの駆除方法は、大家さん自ら市販の殺虫剤で駆除する、業者に依頼するといった2つのパターンがあります。まずはゴキブリの発生源をつきとめ、ホウ酸団子などの毒餌や粘着テープ付きの捕獲器などを侵入経路に置いてみましょう。効果がない場合には、専門の業者に相談してみてください。
シロアリは湿った木材を食べる性質があり、発生すると建物を食い荒らされてしまいます。物件の耐久性が大きく損なわれるほか、ゆがみや倒壊のリスクも高まります。また、コンクリートの建物など木造以外の建物であってもシロアリ被害に遭う可能性があります。
シロアリはほとんどの場合床下から侵入します。入居者の管理できる範囲外であるため、大家さんに駆除責任があります。
シロアリ駆除の方法は、床下に薬剤を散布する「バリア工法」と、シロアリの巣から根絶する「ベイト工法」の2種類があります。被害の大きさや建物の状況によってどちらの駆除方法がよいのかは異なるため、シロアリが発生したらすぐに業者に相談しましょう。
アリが絶えず物件内に侵入してくる場合、壁に隙間があるなど物件の欠陥が原因の可能性があります。このような場合、駆除費用の負担義務は大家さんにあるので、侵入してきたアリを辿って侵入経路を特定し、市販の殺虫剤を使って駆除しましょう。
もし侵入経路が特定できないときは、アリ駆除専門の業者に依頼してみましょう。一定の費用はかかるものの、侵入経路をすみやかに特定し、比較的短時間で駆除してくれます。無料診断をおこなっている業者も多いので、気になる方は一度連絡を入れてみてはいかがでしょうか。
所有している物件に害虫が発生した場合、それが居室内であれば基本的に入居者が駆除することになります。ただし、発生場所が共有部分、あるいは発生原因が入居者にないようであれば、駆除の責任は大家さんにあるとされています。
害虫の発生原因は特定しきれないことも多いため、費用負担をめぐって入居者とのトラブルになることも少なくありません。賃貸契約時に特約を設け、大家さんの責任範囲を明確にしておきましょう。