空室対策でペット可賃貸に変更する前に知っておきたいリスクと対策
賃貸経営をするにあたって、空室対策は最も重要なポイントになる […]
ペットと一緒に暮らしたいという人が増えており、ペット可物件の需要が増えています。今回は、ペット可賃貸のメリットやデメリット、今後の見通しなどを解説していきます。
目次
2020年はコロナウイルスの影響もあり、在宅時間が増えたことで、ペットを飼い始める人が増えました。しかし、ペットを飼える物件は限られているため、飼いたくても飼えないという人も少なくありません。
そのような人が今後ペット可物件に引越す可能性が高く、ペット可賃貸の需要は今後も増え続けると考えられています。
東京都の賃貸物件122,578件のうち、ペット可物件は19,086件となっています。割合としては賃貸物件全体の15.5%程度です。
※参考元:CHINTAIネット (2021年1月18日時点の情報)
東京都はペット可物件の割合が比較的多く、地方に行くほどペット可物件は少なくなる傾向があります。今後は単身向けのペット可物件の需要が高まると予想されます。
それでは実際に、ペット可賃貸を経営するメリットについて見ていきましょう。
賃貸物件でペットを飼いたいという人が増えていますが、まだまだペット可物件は不足傾向にあります。そのため、すでにペットを飼っている人、これからペットの飼育を考えている人にアピールすることができ、入居率もアップする可能性があります。
ペット可物件の場合は、通常の物件より退去時の原状回復費用がかかるため、家賃を少し高めに設定したり、ペット飼育の場合敷金を1ヶ月分プラスして設定することが可能です。
ペット可物件は、一度入居すると長期入居になる可能性が高いです。ペットにとって、コロコロと環境を変えることはあまりよいことではありません。
できるだけ長く同じ環境で育てたいと思うのが、ペットを飼う人の心情です。
また、ペット可物件は少ないので、引越ししようにも次の物件がなかなか決まらないという側面もあります。
ペットを飼う人は、駅近物件よりも環境で物件を選ぶ傾向があります。駅から遠い物件は、通常であればなかなか決まらないことも多いのですが、ペット可物件であれば駅から多少遠くても入居者が集まりやすいのです。
駅近よりも、日当たりのよさや、近くに公園や河川敷などがあるという方がアピールポイントになります。
それでは次に、ペット可賃貸を経営するデメリットについて見ていきましょう。
賃貸物件のトラブルで多いのが原状回復に関することで、ペットに関するトラブルはやはり絶えません。部屋の中はもちろん、共用部の破損も多く、対応に時間と手間がかかります。
新築時からペット可物件であればさほど問題はないのですが、途中からペット可にした場合は、ほかの入居者から苦情がくる場合があります。
鳴き声や匂いによるトラブルが多いのですが、中には動物アレルギーの人が入居している場合もあるので、注意が必要です。
一度ペット可にしてしまうと、ペット不可にすることが難しいというのもデメリットです。ペットによる破損箇所の修繕はもちろん、ペットの匂いを消す作業にも時間がかかるため、ペット不可にするには大規模なリフォームが必要となるのです。
それでは、ペット可賃貸の経営を成功させるには、どのようなコツがあるのでしょうか。
飼育できるペットの種類や頭数、大きさなどをあらかじめ決めておくことで、トラブルを未然に防ぐことが可能です。入居時にペットの写真を提出してもらうとよいでしょう。
ペット可物件は通常の賃貸物件より原状回復費用が高くなります。
あらかじめ、原状回復の負担箇所や費用、敷金償却などについて契約書の特約事項に記載しておき、重要事項説明でしっかり説明することをおすすめします。
ペットの飼育で破損する箇所の多くはクロスと床です。特に猫は壁で爪を研ぐ習性があります。犬や猫が届く範囲だけ張り替えられるような、腰壁クロスがおすすめです。
床も、張り替えが比較的安くできるクッションフロアやタイルフロア、ペット用のフローリングなどにしておくとよいでしょう。
ペット可賃貸の中には、最初からペットの飼育に特化した「ペット共生型マンション」があります。エントランスの入り口に、ペットの足洗い場が設置されていたり、玄関にリードフックがあったりなど、ペットと快適に暮らせる設備が充実しています
コロナ禍で生活が変わり、働き方も変わりました。今後も在宅時間が増える傾向にありますので、ペット可賃貸の需要も高まると予想されます。
しかし、ペットを飼育したい入居者に対して物件数はまだまだ少ないのが現状です。今後の空室対策として、ペット可物件を検討してみましょう。