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クリーンなエネルギーを生み出す太陽光発電。2012年にFIT(固定価格買取)制度が開始されてからは、その安定性や利回りから根強い人気を集め続けています。
今回は太陽光発電による土地活用のメリット・デメリットについて解説します。株や不動産などの投資と同様、リスクも理解したうえで投資を始めましょう。
目次
太陽光発電へ投資する3つのメリットを解説します。
太陽光発電へ投資するメリットは利回りの高さです。
太陽光発電の実質利回りは平均8~9%と言われています。他の投資と比較して、太陽光発電の利回りがどのくらい高いのか見てみましょう。
【利回りの比較】
投資の種類 | 利回り |
太陽光発電 | 平均8~9% |
株式投資 | 4%(高配当とされる銘柄の水準) |
不動産投資(賃貸物件) | 4%前後 |
太陽光発電の収益は売電単価(電気を売る際の単価)によって決まります。売電単価は年々下がってきているものの、システム費用も以前と比べ下がり、初期費用も安くなってきました。投資としては手が届きやすく、安定した高利回りを期待できるでしょう。
太陽光発電への投資は、国が定める「固定価格買取制度(FIT)」によって収益が安定しています。
固定価格買取制度(FIT)とは、太陽光発電により作られた電気を、一定の価格と期間で買い取ってもらえる制度です。
【2021年度の売電価格単価】
250kW以上 | 50kW以上250kW未満 | 10kW以上50kW未満 | 10kW未満 | |
価格
(1kWhあたり) |
10.25円(入札制度により決定) | 11円 | 12円 | 19円 |
期間 | 20年間 | 10年間 |
10kW以上であれば、20年間は同じ単価で電気を買い取ってもらえます。そのため、年間どのくらいの収益を見込めるのか、把握しやすいことも太陽光発電のメリットです。
太陽光発電の投資により、中小企業は節税効果に期待できます。この理由は、「中小企業経営強化税制」による優遇措置を受けられるためです。
<中小企業経営強化税制による優遇措置>
・即時償却により、設備購入費を経費として年内にまとめて計上できる
・設備購入費の最大10%の税額が控除される
中小企業経営強化税制により、上記のどちらか1つ、優遇措置を受けられます。太陽光発電は中小企業経営強化税制における機械装置に該当し、設備投資として計上できます。
<適用される企業の条件>
1.青色申告者 であること
2.個人事業主または中小企業者であること
3.対象業種(不動産業、物品賃貸業含む)であること
条件に当てはまれば、大家さんも優遇措置の対象になります。
ただし、対象となるのは自家消費型太陽光発電(自社で使う電気を作る)であり、作られた電気の1/2以上を売電する場合は対象外です。
制度について詳しくは中小企業庁のページを参照ください。
太陽光発電への投資はメリットだけではなく、リスク・デメリットについても十分把握しなければなりません。
太陽光発電への投資は天候次第で収益が減少することもあります。太陽光発電は太陽光から得られるエネルギーをもとに発電し、作られた電気を買い取ってもらいます。そのため、天候が安定しない地域であれば、見込んでいた収益を得られないかもしれません。
電力の需要と供給のバランスを図るため、エネルギー庁では出力制御のルールを設けています。
送電線へ流れる電気の量には上限があります。電力供給のバランスが崩れると周波数に乱れが生じ、最悪の場合は大規模停電が発生することもあります。このため、出力制御が必要なのです。
具体的には、年間360時間or無制限(どちらも無補償)による出力制御がかけられます。500kWh未満の太陽光発電が制御対象となるため、収益にも影響が出るでしょう。
参考:資源エネルギー庁
太陽光発電への投資で利回りを上げるためには、より広い土地へ設備を設置しなければなりません。 固定価格買取制度(FIT)で定められる売電単価は年々下落しています。2012年は40円/1kWh(10kWh以上)だったものが、2021年には12円と1/3以下にまで下落しました。
そのため、狭い土地では以前のような収益は見込めず、高利回りで太陽光発電への投資を始める場合は広い土地が必要になってきています。
固定価格買取制度(FIT)で定められた買取期間は最大20年(10kWh未満は10年)です。つまり、この期間を過ぎると、太陽光発電での収益はなくなります。
太陽光発電設備が役目を終えた後、撤去する場合には廃棄費用が発生します。あくまでも期間限定の投資であることを忘れず、始める際は終了後の運用方法についても検討しておきましょう。
太陽光発電への投資は、固定価格買取による収益の安定性が大きなメリットです。どのくらいの収益が見込めるのか、具体的に算出できます。一方で、リスクやデメリットも忘れてはいけません。
<太陽光発電への投資におけるリスク・デメリット>
・天候次第で収益が左右される
・無補償の出力制御による収益ダウン
・高利回りを期待するなら広い土地が必要
・固定価格買取制度終了後は収益がなくなる
上記のリスク・デメリットを理解した上で、投資を始めるか検討しましょう。