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トランクルーム運営で土地活用。メリット・デメリットや用途地域の制限について解説

土地活用
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トランクルーム運営で土地活用。メリット・デメリットや用途地域の制限について解説

コロナ禍でテレワークが普及したことにより、自宅を片付けて住環境を良くしたいという思いから「トランクルーム」の需要が高まっています。大家さんの中にも、土地活用の一手としてトランクルームの経営を考えている人もいるのではないでしょうか。

今回は、トランクルームの概要やトランクルーム運用のメリット・デメリットについて詳しく解説していきます。トランクルーム経営に興味がある大家さんは、ぜひ参考にしてください。

トランクルームとは

トランクルームとは、荷物を保管できる収納用スペースです。部屋の収納スペースが足りない場合に、季節の衣類やレジャー用品・思い出の品物などを保管する場所として活用されます。

また、引越しや自宅の建て替えの際、一時的に家具家電を保管するスペースとしても利用されることがあります。

レンタル倉庫やレンタル収納とも呼ばれるトランクルームは、一般的に毎月一定の料金を支払って利用します。トランクルームには大きく分けて屋外型・屋内型があります。

トランクルームの運営方法は大きく分けて3つ

トランクルームは運営方法に3つの種類があります。

・一括借り上げ方式
・管理委託方式
・自己経営方式

それぞれの違いを見ていきましょう。

<h3>一括借り上げ方式</h3>
リースバック方式とも呼ばれる一括借り上げ方式は、所有しているトランクルームを運営会社に借り上げてもらう方式です。土地の購入・トランクルームの設置までは大家さん自身で行いますが、借り上げてもらったあとはトランクルームの空きの有無に関わらず賃料を得られます。

運営会社との契約方法は、トランクの数や土地数など業者によってさまざまです。基本的には売上見込みの6〜7割が大家さんの収入になります。トランクルームの運営が初めてという場合や運営する余裕がない場合、リスクを避けたいという大家さんにとっては、おすすめの運営方法です。

<h3>管理委託方式</h3>フランチャイズ方式ともいわれる管理委託方式は、利用者の募集やお金の管理などといった一部の管理業務を運営会社に委託する運営方法です。賃料はすべて大家さんに入りますが、一定の管理委託料金を運営会社に支払う必要があります。

管理業務の一部分だけを外部業者に任せたい人へおすすめの運営方法です。

<h3>自己経営方式</h3>
土地の購入・トランクルームの設置・利用者募集などの管理業務など、トランクルームの運営すべてを大家さんだけで行う運営方式です。運営会社に手数料を払う必要がないため、コストを一番抑えて運営できる方法です。

しかし、集客や賃料の設定などトランクルーム運営に関するさまざまな知識が必要なので、トランクルームを初めて運営する大家さんにはこの方式はおすすめできません。トランクルーム運営の経験がある人や、コストをできるだけ下げたい人におすすめの運営方法です。

トランクルーム運営を始める方法

トランクルーム2

トランクルームの運営を始めるには、まずは土地探しが必須です。駐車場や遊休地に建設するほか、すでに建てられている建物の用途を変更してトランクルームを運営する方法もあります。都市部にある使われなくなった倉庫やオフィス・店舗用の建物はこの方法が適しているといえるでしょう。

場所が決まれば、そこからの運営方法は選んだ方式によって異なります。自己経営方式の場合は、利用者募集から賃料設定まですべての業務を負わなければいけません。

用途地域によるトランクルーム建設の制限

トランクルームの場所選びには注意が必要です。なぜなら、トランクルームは建築基準法で「倉庫業を営まない倉庫」として定められているため、用途地域によっては建てられない可能性もあるからです。

移動可能なコンテナを利用したトランクルームにおいても、同様に建築物として扱われるので注意が必要です。

「コンテナを倉庫として設置し、継続的に使用する例等が見受けられますが、このような随時かつ任意に移動できないコンテナは、その形態及び使用の実態から建築基準法第2条第1号に規定する建築物に該当します。このため、一般に、建築基準法に基づく確認申請を行い、確認済証の交付を受けないと設置できませんので、ご留意ください。」
出典:国交省通知

以下の表を確認して、トランクルームが建設できるかどうか確認しておきましょう。

用途地域 建設可否
第一種低層 住居専用地域 ×
第二種低層 住居専用地域 ×
第一種中高層 住居専用地域 ×
第二種中高層 住居専用地域 △ ※2階以下は可
第一・第二種 住居地域
準住居地域
近隣商業・商業地域
準工業・工業地域
工業専用地域

トランクルーム運営のメリットとは?

トランクルームの運営には、以下3つのメリットがあります。

・狭小地や日照条件が悪い土地でも活用できる
・初期費用が抑えられる
・メンテナンスにかかる手間や費用も少ない

それぞれのメリットを見ていきましょう。

①狭小地や日照条件が悪い土地でも活用できる

居住用の賃貸物件は、狭すぎる土地や日当たりが悪い土地は需要がほとんどありません。しかし、トランクルームは物を収納するだけなので、細かなこだわりは求められにくいです。居住用の賃貸物件の需要が少ない郊外の幹線道路沿いや、住宅の建設ができない工業専用地域でも、トランクルームであれば需要が見込める可能性があります。

②初期費用が抑えられる

トランクルームの建設初期費用は、200〜500万円が一般的です。賃貸物件を一から建てて経営するには3,000〜9,000万円ほどの初期費用がかかるといわれているため、住居用の賃貸物件と比べると1/10ほどの初期費用でトランクルームを運営できるといえます。

③メンテナンスにかかる手間や費用も少ない

トランクルームは基本的に一部屋だけのシンプルな構造で、エレベーターやオートロックなどの設備も基本的には必要ありません。そのため、メンテナンスにかかる手間や費用も居住用の賃貸物件と比べると少なくなります。利用者はトランクルームに長時間滞在することはないため、居住用物件における入居者トラブルのような利用者どうしのトラブルも少ない傾向にあります。

トランクルーム運営のデメリット

一方で、トランクルーム運営には以下3点のデメリットもあります。

・節税効果が低い
・金融機関の融資を受けにくい
・集客が難しい

それぞれの内容を詳しく解説しましょう。

①節税効果が低い

居住用の賃貸物件には相続税の大幅な節税効果があります。これは相続税評価の際、評価額の低い「貸家建付地」として扱われるためです。

一方、トランクルームは「貸家建付地」として評価することができません。土地を貸家建付地として評価するためには、「所有する土地に建築した家屋を他に貸し付けている※」必要がありますが、トランクルームはあくまでレンタルスペースとして貸し出すもので、利用者に借地権が生じることはないためです。

このため、トランクルームには居住用賃貸物件ほどの相続税の節税効果はないといえます。

※出典:国税庁

②金融機関の融資を受けにくい

トランクルームには、居住用物件のような担保価値(=売却したときに得ることができる対価)はありません。そのため、トランクルーム運営のために金融機関から初期費用を集めることは難しいかもしれません。

ただし先述の通り、トランクルームの初期費用は200〜500万円と比較的安価なので、金融機関に頼らないで用意することは比較的難しくないでしょう。。

③集客が難しい

需要が高まっているといわれるトランクルームですが、住居用の賃貸物件と比べると、まだまだ知名度や需要が少ないのが現状です。居住用賃貸物件のような大手ポータルサイトもないため、効果的な広告宣伝ができず、集客は難しいともいえます。

まとめ

物を収納するための場所であるトランクルーム。コロナ禍の影響で需要は少しずつ高まっています。初期費用がかからず比較的手軽に運営を始められますが、相続税の節税効果を望む場合は、トランクルームよりも住居住用賃貸物件の運営の方が向いています。デメリットも理解したうえで、検討するとよいでしょう。

また「トランクルーム」のほか、「狭小住宅」や「駐車場」と一緒に検討してみてはいかがでしょうか。

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