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2006年に改正消防法が施工され、賃貸物件にも火災警報器を設置する義務があります。設置義務はありますが、設置に関する罰則がないため火災警報器を設置していない大家さんもいるでしょう。
そこで今回は、火災警報器の設置義務について、設置していない場合のリスクにも触れながらお伝えします。火災警報器の設置方法や交換についてもご紹介しているので、これから設置を考えている方や、交換のタイミングが知りたい方はぜひ参考にしてみてください。
目次
火災報知器は、火災が発生した際に熱や煙を自動で感知して、警報を鳴らす設備です。火災報知器は火災の発生を建物内にいる人へ素早く知らせるためにあり、逃げ遅れを防ぐ役割があります。
火災報知器には「自動火災報知設備」と「住宅用火災警報器」の2種類があります。自動火災報知設備 は、火災による熱や煙、炎を感知した場合に受信機に火災信号が送られ、警報ベルや音声などで建物内に火災を知らせる設備です。延べ面積500m2以上のマンションなどに設置義務があり、配線工事などが必要となります。
住宅用火災警報器 は、火災による熱や煙、炎を感知した場合、感知器そのものが警報を鳴らして火災を知らせる設備です。一般的な住宅や賃貸物件などに設置し、配線工事の必要がなく簡単に取り付けられます。
2006年に施行された消防法改正 により、戸建て住宅や店舗兼用住宅、共同住宅などを含むすべての住宅を対象に、火災警報器の設置が義務づけされました。つまり、賃貸物件にも火災警報器の設置義務があるというわけです。
総務省消防庁によると、令和2年の火災死者数のうち、約7割が住宅火災によって亡くなっています。また、住宅火災100件あたりの死者数で比べると、火災警報器を設置していない場合の死者数は11.5人、設置している場合は5.5人と半数に減少 しているのです。
火災警報器がいち早く異変を知らせることで、迅速な避難や初期消火につながります。そのため、火災警報器の設置が義務づけられているのです。
火災警報器は設置義務がありますが、実は設置をしていなくても法律上の罰則はありません。
そのため「罰則がないなら設置しなくてもいいのでは」と考える大家さんもなかにはいるでしょう。火災警報器を設置しなかった場合に考えられるリスクを2つお伝えします。
住宅火災によって死者が出た場合、大家さんが責任を追及される可能性もあるのです。すべての住宅に火災警報器の設置が義務づけられた背景には、住宅火災の死亡者数のうち約7割が逃げ遅れたことが原因で、就寝の時間帯に発生していることが挙げられます。
実際に、火災警報器の設置により死者数減少の効果が得られていることから「火災警報器を設置していれば逃げ遅れることはなかった」と責任を問われる可能性があるのです。
火災警報器を設置していない場合、火事が起きても火災保険がおりない可能性があります。保険会社や契約内容によって異なりますが、火災保険の適用外の項目に明確に記載されているようであれば、火災保険からの補償はありません。
火災警報器の設置に罰則がないとはいえ、入居者の命と財産を守るためには火災警報器の設置が重要です。
それでは、火災警報器はどのように設置をすればいいのでしょうか。火災警報器を設置するうえで気になる3つの疑問をご紹介します。
ひとつずつ見ていきましょう。
火災警報器は業者に依頼もできますし、自分で取り付けることも可能です。ホームセンターやインターネット通販などで販売されており、設置も難しくはありません。
火災警報器の設置場所は、基本的に寝室と寝室がある階段上部です。天井もしくは壁に取り付けます。
天井に取り付ける場合 | 壁に取り付ける場合 |
火災警報器の中心を壁から60cm以上離す | 天井から15cm〜50cm以内 |
(参考:一般社団法人 日本火災報知機工業会 )
また、各市町村の条例によっては、台所など寝室以外に設置するよう決められている地域があります。所有する物件がある市町村の条例を確認しておきましょう。
火災警報器を設置したら、正常に作動するか確認します。製品によって点検方法は異なりますが、ひもを引っ張ったりボタンを押したりして、警報音が鳴るかを確認してみてください。
点検は、少なくとも年に2回 行うのがおすすめです。春・秋にある火災予防運動や・防災の日など、点検する時期の目安をきめましょう。。
住宅用火災警報器の場合、設置届の提出の有無は自治体によって異なります。提出が必要ない場合もありますし、提出期限を設けて設置届を提出するように求めている場合もあるため、確認をしておきましょう。
なお、東京の場合は、新築または改築の際には設置工事完了後15日以内 に届出が必要です。
火災警報器の交換の目安は10年 です。火災警報器に記載された設置年月や、交換期限を確認してみましょう。
ただし、10年はあくまで交換目安です。設置から10年以下でも、入居者が退去した際には火災警報器の電池がなくなっていないかを確認してください。
火災警報器の設置についてお伝えしました。火災警報器は賃貸物件にも設置義務がありますが、設置していないからといって法律上の罰則を受けることはありません。
しかし、手間と費用がかかるからという理由で設置を怠ると、万が一火災が起きた際に入居者の命を守れないのです。大切な命のためにも、大家さんが責任を持って火災警報器を設置しましょう。