商業ビル・テナント経営で土地活用する方法を基礎から解説!メリット・デメリットや具体的なステップとは
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空室が出ても、すぐに入居者が見つかればいいのですが、なかなか埋まらない場合には対策が必要です。しかし、家賃収入が減っている時期に空室対策でコストをかけるのは抵抗があるという大家さんもいるかもしれません。
そこでおすすめなのが、有効な空室対策として注目されているフリーレントです。ここでは、フリーレントについて詳しく紹介します。
目次
フリーレントは、新しく入居してくれる賃借人に対して、大家さんが設定した期間だけ家賃を無料にするシステムです。簡単にいうと、1ヶ月間フリーレントと設定した場合は、入居者が決まっても1ヶ月分の家賃は発生しません。
家賃を無料にするというと損をするイメージがあるかもしれませんが、何ヶ月も空室状態が続いたり、敷金礼金、家賃を下げたりするよりも早く入居者が決まるので、リスクの少ない空室対策です。
家賃を無料にしたら、大家さんにはメリットがないと思うかもしれませんが、フリーレントというのは入居者側にも大家さん側にもメリットがあります。といっても、もちろんデメリットもあるので、双方を理解したうえで検討することが重要です。
入居者側のメリットとして挙げられるのは、以下の2点です。
・現在の部屋と新居で二重家賃が発生しない
・引っ越し準備を落ち着いてできる
デメリットとしては、以下の2点が挙げられます。
・短期間で解約するとペナルティが発生する場合がある
・フリーレント期間でも管理費や共益費は払う契約となる場合がある
大家さん側のメリットは、以下の3点が挙げられます。
・他の賃貸物件との差別化により入居者が見つかりやすい
・家賃など値下げをしなくても良い
・賃貸物件の価値の下落を防げる
一方、デメリットは2点挙げられます。
・フリーレント期間を長くし過ぎると収益が悪化する可能性がある
・短期解約の場合の違約金を設定していないと、収支がマイナスになってしまう
メリットとデメリットを見ると、何となくフリーレントは面倒に思えるかもしれませんが、それでも空室対策としてはとても有効なので、導入する大家さんは増えています。その理由は、空室対策に有効といわれる3つの理由が、とても明確だからです。
他物件との差別化ができる
同じような物件で迷うと、多くの場合、家賃が安い方に流れるものです。そこで、1ヶ月無料という差別化をすることで、入居者の気持ちを引き寄せることができます。
入居者にアピールできる
入居者にとって、引越し費用の一部が無料になるのは大きな魅力です。「無料」というのは効果的なアピールで、とてもインパクトがあります。
長期入居を促すことができる
フリーレント契約では、契約期間を設けるのが一般的で、短期解約となるとペナルティが課せられます。そのため、入居者は必然的に長期間入居可能性が高まり、空室になるリスクを削減できます。
このような理由から、フリーレントは空室対策に有効といわれているのです。
空室の状況というのは賃貸物件によって異なるため、フリーレントを導入したくても、効果が出やすい物件かどうか分からないという大家さんもいらっしゃるかもしれません。ここでは、フリーレントの効果が出やすいケースを紹介します。
空室になったばかりであれば、リフォームや新しい設備の導入など初期投資をすることもできますが、長期間空室状態の場合は、すでに赤字の物件になっているため投資もできません。
フリーレントは、見方を変えれば費用ゼロ円で空室対策ができます。だらだらと空室が続くより、たとえ1ヶ月分損をしても、フリーレントにして早く入居者を探す方が、結果的には得です。
新築物件であればすぐに入居者で埋まるイメージがあるかもしれませんが、家賃が相場よりも高いので、意外に埋まらないことがあります。
こういったケースでフリーレントをすると、たとえ家賃が高くてもお得感が出ます。そのため、最近では新築物件で入居者を募集するときのアピールとして、フリーレントを導入する大家さんも増えています。
フリーレントは、空室対策として非常に有効な手段ですが、導入する場合にはタイミングに注意しなくてはいけません。フリーレント期間は家賃収入がないので、その期間は入居者がいても空室とほぼ同じ状態になります。
空室が出たからといって、すぐにフリーレントを導入してしまうと、もしかしたら普通に入居者が決まったかもしれないのに、あえて家賃収入がない期間を長引かせていることになるのです。また、長期間空室だった場合、さらに空室が長引くことになり、キャッシュフローが狂ってしまうかもしれません。
このように、フリーレントは導入するタイミングによって大家さんに与える影響が違ってくるので、空室の期間に適した対策を行うようにしましょう。
フリーレントは、効果の高い空室対策として導入する大家さんが増えています。しかし、安易に導入してしまうと、キャッシュフローが狂ってしまうこともありますし、契約内容によっては逆に損をしてしまうかもしれません。
といっても、デメリットをしっかり理解してリスク対策をしておけば問題ないので、上手にフリーレントを活用してください。