ホームステージングとは、家具や小物・観葉植物などを使って部屋のなかをモデルルームのように演出し、内見の印象をアップさせる手法のことです。

欧米でおもに家を売却するための方法として生まれたホームステージングですが、賃貸物件の入居者の募集にも有効です。今回はこのホームステージングのやり方や、具体的なメリットについて解説します。

賃貸物件でホームステージングをおこなうメリット・効果

本来は売却物件のために生まれたホームステージングですが、賃貸物件の入居者募集にも大きな効果を発揮します。賃貸物件でのホームステージングのメリットは以下の3つです。

検索サイトで目に留まりやすくなる

最近ではほとんどの人が不動産ポータルサイトを使って賃貸物件を探しています。エリアや家賃などの条件で検索しても、基本的に室内には何も置かれていない状態の写真であるため、入居時のイメージがつきづらいと感じるユーザーも多いのが実情です。

しかし、ホームステージングでおしゃれに演出した部屋の写真を掲載すれば、何も置いていない無機質な部屋よりも目立ちます。そのため、ポータルサイト内でユーザーの目に留まりやすくなり、詳細ページを見てもらえる確率が上がるのです。結果、問合せや内見希望者の増加が見込めます。

部屋のサイズ感、入居後のイメージが湧きやすくなる

部屋の中に家具が置かれていないと部屋のサイズ感がわからず、入居後のイメージも膨らみません。一方、ホームステージングをして家具や小物を配置しておくと、ウェブサイトのユーザーや内見に来たお客様が入居後の暮らしをイメージしやすくなります。その結果、入居したい気持ちを高めることができ、成約率アップにつながるのです。

部屋の欠点を目立ちにくくできる

ホームステージングには、賃貸物件の欠点を目立ちにくくする効果もあります。

たとえば、窓からの景観があまりよくない部屋を貸し出したい場合、なにもせずに写真を掲載するとそこに意識が集まりやすくなります。しかしホームステージングをしていると、多くの方は内装に意識が向き、窓からの景観という欠点が比較的目立ちにくくなるのです。

また、人気が低いといわれる「3点ユニットバスでも、タオルやフェイクグリーンなどの小物を飾ってホテルライクに演出すれば、その欠点をカバーすることができます。

賃貸物件でホームステージングをおこなう際の注意点

入居希望者を増やせる、物件の弱点をカバーできるなどメリットが多いホームステージングですが、注意しておくべきこともいくつかあります。以下の注意点を確認して、ホームステージングを導入するか検討しましょう。

費用がかかる

当然ですが、ホームステージングをするには、家具や照明・小物を用意するための費用がそれなりにかかります。特にソファセットやダイニングテーブルなどの大型家具を置く場合、購入する費用だけでなく搬出・搬入代も必要です。

ホームステージングによって印象アップが見込め、空室が早く埋まる可能性は上がりますが、その分コストも必要。費用対効果を検討のうえ、導入すべきか判断することが重要です。

配置・撤収の手間がかかる

ホームステージングをするには、配置する家具や小物を決めて購入したあと、搬入・配置、入居者が決まったら撤収と、多くの手間がかかります。

もし部屋の入居者が決まれば、配置している家具などを回収しなければいけません。満室になればせっかく用意した家具も使う機会がなくなり、その間の保管場所も必要です。大型家具を配置したい場合は、ホームステージングの代行業者や家具レンタルなどの利用も検討しましょう。

高額な費用をかけなくてもできる！ホームステージングに活用できる小物アイテム3選

大型家具など高額な費用をかけなくても、小物を使ったホームステージングでも十分印象アップ効果を狙うことができます。

ここからは、ホームステージングに活用できる小物アイテムを3つ紹介していきます。

■アロマディフューザー
玄関やトイレなどにさりげなくアロマディフューザーが置かれているだけで、おしゃれな部屋を演出することができます。シューズボックスが小さい玄関でも、アロマディフューザーを置くことで小ささが目立ちにくくなります。

アロマディフューザーは、100円ショップや雑貨屋でおしゃれなものがたくさん販売されており、300〜2,000円の価格帯で購入できるため、高額な費用をかけずに用意することが可能です。

■フェイクグリーン
部屋のなかにグリーンがあるだけで、部屋の印象はガラリと変わります。本物の観葉植物は育てる手間がかかるので、ホームステージングにはフェイクグリーンがおすすめです。

リビングやキッチン・洗面所に玄関など、フェイクグリーンはさまざまな場所に活用できます。100円ショップで簡単にそろえることができるので、気に入ったものを取り入れてみてはいかがでしょうか。なお、鉢植えに入った大型のものは、5,000円前後でゲットできます。

■ローテーブル
ソファやダイニングテーブルなどの大型家具を用意しなくても、小さなローテーブルがあればそれだけでホームステージングが叶います。ローテーブルは2,000円から手に入れることができるため、大きな予算をかける必要もなく、さらに小さいローテーブルなら保管場所にも困りません。ローテーブルの上にフェイクグリーンやコーヒーカップ、雑誌などを載せるだけでも部屋の印象は一気によくなります。

まとめ

ホームステージングは、賃貸物件の入居者を募集するのに有効な手段の1つです。部屋のなかに家具や小物をセットすることで、検索サイトで目立つようになるほか、欠点をカバーする効果もあります。

大型家具などを導入すると費用と手間がかかりますが、小さな小物だけでもホームステージングは可能なので、費用対効果を考えてオリジナルのホームステージングを実践してみましょう。