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国勢調査の結果から読み解く賃貸経営の今後

賃貸経営の基礎
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#賃貸経営の知識をつけたい
国勢調査の結果から読み解く賃貸経営の今後

令和2年(2020年)に行われた国勢調査の結果によると、前回調査から日本の人口は約95万人減少していることがわかりました。賃貸経営の将来を考える上で、人口減少は重要なキーワードです。ただ待っているだけでは入居者が集まらず、人口減少社会という動向に合った工夫が求められます。

今回は、令和3年(2021年)11月30日に公表された人口等基本集計の結果についてレポートします。人口減少の時代に入った今、今後の賃貸経営を考えるヒントとして活かしましょう。

日本の総人口は1億 2614万6000人

2020年の国勢調査によると、日本の総人口は1億2614万6000人。前回(2015年)の調査から94万9000人減少しており、人口減少社会へ突入しています。

一方で、外国人の人口は増加しており、総人口の 2.2%となる 274万7000人。前回調査よりも83万5000人増加しました。これまで外国人入居者を受け入れたことがない大家さんも、受け入れ体制を整える必要があります。

次に、都道府県別の人口を見てみましょう。もっとも多いのは東京都の1404万8000人です。東京都、神奈川県、埼玉県などの8つの都道府県で人口が増加し、8都道府県で全国の5割以上(50.7%)を占める6398万4000人となりました。

【都道府県別の人口増加率 上位8都県(2015 年~2020 年)】
1.東京都 3.9%
2.沖縄県 2.4%
3.神奈川県 1.2%
4.埼玉県 1.1%
5.千葉県 1.0%
6.愛知県 0.8%
7.福岡県 0.7%
8.滋賀県 0.0%

上位8都県以外の39道府県では人口が減少し、そのうち33都道府県では2010~2015年の5年間と比べて減少幅が拡大しました。

全国1,419の市町村で人口が減少

国勢調査2

続いて、市町村別の人口増減を見てみましょう。全国 1,719 市町村のうち、1,419 市町村(82.5%)で前回(2015年)の調査から人口が減少しました。

前回調査から、人口減少数が大きかった市町村は以下の通りです。

人口減少数の大きい市町村
1 北九州市(福岡県) 11 佐世保市(長崎県)
2 新潟市(新潟県) 12 神戸市(兵庫県)
3 長崎市(長崎県) 13 静岡市(静岡県)
4 横須賀市(神奈川県) 14 福島市(福島県)
5 いわき市(福島県) 15 京都市(京都府)
6 函館市(北海道) 16 高知市(高知県)
7 呉市(広島県) 17 小樽市(北海道)
8 下関市(山口県) 18 日立市(茨城県)
9 堺市(大阪府) 19 旭川市(北海道)
10 青森市(青森県) 20 釧路市(北海道)

人口減少数4位となった横須賀市では、工場や大企業が相次いで撤退・縮小した結果、雇用が減少したことが要因として考えられます。さらに、横須賀市よりも都心に近い川崎市や横浜市で、宅地造成やマンション開発が加速したことも、人口流出の一因と見られます。

12位の神戸市は、大阪市内へ通いやすい西宮市や、手厚い子育て支援により人口が増加した明石市への流出が目立ちました。さらに、20〜30代の転出が多く、働く場を求めて大阪や東京などの大都市へ流れたのも原因の1つと考えられます。

15位の京都市は、地価の高騰が人口減少の原因との見方があります。ホテルの建設ラッシュや、外国人による町家の不動産取得により地価が上昇し、子育て世代が相場の安さや生活環境を求め、隣接する滋賀に流出したと考えられます。

一方、人口増加数が大きい市町村は以下の通りです。

人口増加数の大きい市町村
1 特別区部(東京都) 11 川口市(埼玉県)
2 福岡市(福岡県) 12 市川市(千葉県)
3 川崎市(神奈川県) 13 松戸市(千葉県)
4 大阪市(大阪府) 14 つくば市(茨城県)
5 さいたま市(埼玉県) 15 仙台市(宮城県)
6 横浜市(神奈川県) 16 調布市(東京都)
7 名古屋市(愛知県) 17 藤沢市(神奈川県)
8 流山市(千葉県) 18 柏市(千葉県)
9 札幌市(北海道) 19 吹田市(大阪府)
10 船橋市(千葉県) 20 明石市(兵庫県)

東京都に次いで2位の福岡市は、企業誘致による雇用創出やスタートアップ支援などで年々人口が増加し続けています。また、流山市(千葉県)や明石市(兵庫県)は、子育て支援に力を入れてきた自治体です。共働き子育て世代が子育てのしやすさを求めた結果、人口が増加しました。

総人口に占める 65 歳以上人口の割合は2ポイント上昇

65歳以上の人口は、3602万7000人となり、前回の 26.6%から 28.6%に上昇しました。65歳以上の人口の割合は、世界でもっとも高い水準です。厚生労働省の「今後の高齢者人口の見通しについて」では、65歳以上の割合は2055年3,626万人(39.4%)になると見込まれています。

今後、日本ではますます高齢化が進むと予測されています。賃貸物件の大家さんは、高齢者入居の受け入れ体制を整えるなどの対策が求められるのです。

まとめ

2020年の国勢調査の結果をお伝えしました。日本の人口は減少傾向ですが、一方で外国人人口は増加しています。また、子育て支援や雇用創出により、人口が増えた地域もありました。

大家さんは、外国人や高齢者入居の受け入れなど、入居者のニーズに合わせた賃貸経営が必要です。国勢調査の結果を参考にし、今後の賃貸経営に活かしましょう。

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