エイブル

家主様・オーナー様向けサイト
  1. HOME
  2. お役立ち記事

共有名義で不動産を 相続するメリット・デメリットとトラブル回避策をわかりやすく解説

相続・節税
公開日:
更新日:
#トラブルを解決したい
共有名義で不動産を  相続するメリット・デメリットとトラブル回避策をわかりやすく解説

不動産を相続する際、複数の相続人と共有名義で相続することがあります。共有名義にはメリット・デメリットの双方があるため、相続方法を検討している場合はそれぞれの特徴を把握しておくことが重要です。

今回は、共有名義での相続に関するメリット・デメリットに加え、起こりがちなトラブルや回避方法まで解説していきますので、賃貸物件の相続でお困りの方はぜひ参考にしてください。

不動産の共有名義とは

相続人が複数人いる場合、遺産は決められた割合で均等に分けられるのが一般的です。しかし、不動産は預貯金のように分けることができないため、平等性を保つために共有名義で相続されることがあります。これは、不動産の所有権を相続割合に応じて配分するイメージです。

不動産を共有名義で相続すると、不動産の持ち主が死亡した場合、配偶者や子どもといった相続人が全員で1つの不動産を所有します。複数人が1つの不動産を所有しているため、使用や収益、処分には相続人全員の同意が必要です。

共有名義で物件を相続するメリット・デメリット

共有名義での不動産相続はメリットがある一方、デメリットもあります。特にデメリットの面が目立つため、事前に確認しておきましょう。

共有名義で物件を相続するメリット

共有名義で不動産を相続するメリットには、以下の3つが挙げられます。

・公平な遺産分割が叶う
・不動産にかかる経費を負担し合える
・不動産売却時の税金控除額が高くなる

不動産相続を共有名義にすると、1つの不動産を持分割合で所有できます。また、相続した不動産に収益が発生している場合、その収益を相続人で分けることで遺産分割の公平性が保てます。万が一遺産分割で揉めることがあれば、簡易的な解決策として共有名義が選ばれることもあるようです。

そして、不動産にかかる経費を相続人全員で負担し合えるのもメリットのひとつです。不動産の維持にはさまざまな費用や手間がかかりますが、相続人で分割することで一人にかかる負担が少なくなります。もしアパートやマンションであれば、相続人同士で相談しながら管理や運営を行えるでしょう。

なお、相続した不動産を売却する場合、特別控除の金額が上がることも見逃せないポイントです。たとえば、居住用の不動産を売却した場合、最大3,000万円の特別控除が受けられます。ただし、これは名義人一人あたりの控除額であり、仮に3人なら9,000万円まで控除が可能です。

共有名義で物件を相続するデメリット

反対に、共有名義での不動産相続には以下のようなデメリットがあります。

・不動産の使い道がまとまりにくい
・固定資産税の分割支払いが難しい
・将来の相続が難しくなる

不動産を複数人で所有した場合、相続後の使い道に関して全員の同意が必要です。たとえば一人が賃貸物件として活用したいと考えていても、他の相続人が反対すればそれは難しくなります。賃貸物件の管理には多くの費用や時間が必要であり、同意してもらえないことも少なくありません。

また不動産を売却する場合、相続人全員の署名と捺印が必要です。相続人の誰かが遠方に住んでいれば手続きに時間が取られてしまうため、売却までの期間が長引いてしまうおそれがあります。

さらに、固定資産税の支払いが難しいことも共有名義のデメリットのひとつです。固定資産税は建物そのものにかかるため、相続人で分割して支払わなければいけません。相続人の中に万が一固定資産税の支払いに非協力的な人がいれば、代表者が負担する必要があります。

共有名義で物件を相続する際に起こりがちなトラブル

相続 共有名義2
不動産を共有名義で相続した場合、以下のようなトラブルが起こる可能性があります。

・不動産の使い道が決まらず放置されてしまう
・税金の負担が一人に偏る
・不動産の共有者が増えて収拾がつかない
・誰かが勝手に売却してしまう

これらのトラブルが起こると、単に不利益が生じるだけでなく人間関係も悪化してしまいます。不動産が原因で大きな喧嘩に発展してしまう可能性もあるため、事前に何らかの対策を講じる必要があるといえるでしょう。

共有名義による相続トラブルを回避する方法

共有名義による相続トラブルを避けるためには、相続前に分割方法を変えることが重要です。不動産を相続する場合は、共有名義以外に2 つの分割方法があります。

・代償分割
・換価分割

代償分割とは、複数いる相続人のうち一人が不動産を所有し、他の相続人に一定の代償金を支払うといった相続方法です。

たとえば、4人の相続人が平等に評価額1億円の賃貸物件を相続する場合、代償分割をすると不動産の相続人が他の相続人に2,500万円ずつ支払います。このようにすることで、相続人全員が2,500万円ずつの利益を得ることができます。

一方換価分割とは、相続した時点で不動産を売却し、現金化して分け合うといった相続方法です。こちらは、今後不動産を活用しないと全員で決めた場合に採用される方法といわれています。

不動産の評価額で金額を決める代償分割よりも、実際に売却した金額を分割する換価分割の方が公平に分け合えます。ただし、不動産に思い入れがあって売却したくないという相続人がいる場合、この方法はおすすめできません。

不動産を共有名義で相続するときはトラブルに注意

不動産を複数人で所有する共有名義には、それぞれ3つのメリットとデメリットがあります。特に相続人同士の人間関係が希薄な場合、面倒なトラブルが起こりやすいため共有名義での不動産相続はおすすめできません。

分割できない不動産を相続するには、代償分割や換価分割も検討できます。相続人全員が納得できる方法を見つけて、円満な遺産相続を目指しましょう。

フリーワード検索