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不動産経営においては、「物件管理の質」がその物件の価値を決めるといっても過言ではありません。なかでも、一定の規模を超える賃貸物件を所有している方や、経営拡大を目指す方にとって検討すべき選択肢が「プロパティマネジメント(PM)」です。ただし、プロパティマネジメントのサービスや対応範囲は、会社によって大きく異なります。
そこで今回は、長年オーナーからの相談に対応し、豊富な実績を持つ賃貸経営のプロ・エイブルの池本さんに、エイブルにおけるプロパティマネジメントや、PM管理がフィットするオーナーについて詳しく伺いました。
| 監修:池本 幹 株式会社エイブル PM管理事業部 部長 日々オーナーと向き合い、不動産の価値を最大化すべく、さまざまな提案をしてきた賃貸経営の専門家。業界歴は25年以上。現在はプロパティマネジメントの専門部隊の責任者を務める。 資格:宅地建物取引士、賃貸不動産経営管理士、土地活用プランナー |
目次
「プロパティマネジメント(PM)」とは、建物を所有するオーナーに代わって、不動産の運営・管理全般を行う業務のことを指します。プロパティマネジメントの目的は、不動産の収益性を最大化し、資産価値を維持・向上させることです。対象となる不動産は賃貸物件だけではなく、商業施設やオフィスビルなど多岐にわたります。
プロパティマネジメントを導入する大きな利点は、賃貸経営に関する幅広い業務を一括で任せられることです。入居者対応から修繕、募集戦略まで、実務と戦略の両方を賃貸経営の専門家に委ねられます。そのため、副業として賃貸経営を行うオーナーは本業に専念でき、事業として複数の不動産を展開するオーナーは、経営リソースを分散させず、より戦略的な意思決定に集中できる点が大きなメリットです。
池本さん:
エイブルのPM管理の現場では、建築会社・設計士・オーナー様・管理会社など、複数の関係者と協業してプロジェクトを進めていきます。土地の仕入れから竣工まで、4年越しで携わることもあるんです。こうしたチームでの長期的な動きに対応できるのも、プロパティマネジメントならではの強みだと考えています。
「プロパティマネジメント」や「PM」という言葉を聞いたことはあっても、「一般的な物件の管理委託(集金管理)と具体的に何が違うのか」と判断に迷う方も多いのではないでしょうか。ここでは、エイブルにおけるプロパティマネジメント(PM管理)と委託管理(集金管理)の違いを説明します。
賃貸物件の管理委託というと、一般的には「家賃の集金」や「建物の清掃・点検」といった実務が中心です。こうした業務はあくまで日々の業務を「代行」するもの。エイブルではこういった管理方法を「集金管理」と呼んでいます。
一方でプロパティマネジメントには、より経営的・戦略的な視点でのサポートが含まれます。たとえば、賃料の見直し提案や稼働率を上げるための施策、将来的な売却を見据えた改善提案など、経営者目線で物件の価値の最大化を目指します。エイブルでは、プロパティマネジメントを「PM管理」と呼んでいます。
池本さん:
エイブルの集金管理は分業制で、定型業務を効率よく回すことを重視しています。一方でPM管理は、オーナー様ごとの状況に応じて、契約や対応の内容をカスタマイズしやすい仕組みになっています。戦略的な運用や将来的な出口も視野に入れたご提案ができるのがエイブルのプロパティマネジメントの強みです。
エイブルのPM管理では、こうした柔軟性を活かしつつ、物件の状況やオーナーの方針に応じて最適な対応を行います。ここからは、その具体的な内容と強みを見ていきましょう。
エイブルのプロパティマネジメントは、一般的な管理業務にとどまらず、オーナー一人ひとりの課題や将来設計に寄り添いながら、資産価値の最大化を総合的に支援することを目的としています。入居者対応や修繕手配といった日常管理に加え、賃料の見直しや空室対策、相続・売却を見据えた経営サポートまで幅広く対応しています。
オーナーと共に長期的な視点で資産運用を考える体制を整え、「相続対策として建物をどう維持していくか」「今後の売却を見据えて資産価値をどう高めるか」といった経営的なテーマに対して、実務と提案の両面から支援しています。
また、直営店とネットワーク店を合わせて全国約800店舗を展開しており、高いリーシング力による安定した入居を実現している点も大きな強みです。
さらに、独自の「プロパティマネジメントレポート(PMレポート)」を毎月オーナーにお届けしています。各部屋の賃料条件や入出金履歴、修繕費用の明細などを一覧化し、物件運営の実績を「見える化」する仕組みです。これにより、オーナーと担当者が共通の情報基盤を持ち、次の戦略を検討するための材料として活用できます。
オーナーの方針や将来像に合わせた柔軟な対応が可能で、「家族信託を絡めたい」「相続対策を行いたい」「売却を前提に建物を建てたい」といった、一般的な管理会社では対応が難しいご相談もワンストップで対応します。
家族信託について詳しくはこちら
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池本さん:
バリューアップのご提案は、退去や更新のタイミングに合わせて行っています。「この機会に少し手を加えて、次の入居に備えましょう」といった具体的な改善提案を行い、年間予算の中で計画的な修繕や設備更新を進めることで、無理のない形で資産価値の維持・向上を図っています。突発的なトラブルにも即応できるよう、支出を見込んだ事前の予算立ても行い、スピーディーかつ安定した運営体制を実現しています。
プロパティマネジメントは、物件の資産価値を高める頼もしいサポートですが、導入にあたって気をつけておきたい点もいくつかあります。
まず費用面です。たとえば、エイブルのPM管理では、契約時に集金管理にはない「セットアップフィー」がかかります。これは、プロパティマネジメントが資産価値を上げるためのご提案や実行まで行うための、いわば「価値向上への先行投資」とも言えます。
池本さん:
プロパティマネジメントをご検討いただく際、運用スタイルも考慮すべきポイントです。たとえばエイブルのPM管理では、修理・修繕などが比較的軽微なものであれば、現場判断でスピーディーに対応できる体制をとっています。これは、対応の遅れで入居者満足度を下げないための仕組みですが、「どんなことでも自分で判断したい」「時間をかけても相見積もりを取ってから対応してほしい」というオーナー様にはやや合わない場合もあるかもしれません。
プロパティマネジメントは、すべてのオーナーに必要というわけではありません。物件の規模や運用方針、将来のビジョンによって、向き・不向きがあります。プロパティマネジメントがフィットしやすいのは、以下のような条件にあてはまるオーナーです。
・1棟あたり30戸以上の物件を所有している
・複数の地域に物件を所有している
・信託銀行やアセットマネージャーと協力して資産全体の運用をしており、不動産部門を任せたい
・特別な支払いのルールやレポート(週報や月次報告)が必要
・専用の賃貸契約書や管理委託契約書を活用したい
・マスターリース(一括借り上げ)を希望している(※1)
・資産価値向上や将来的な売却を見据えた運用をしたい
※1 マスターリースとは、管理会社がオーナーから物件を一括で借り上げ、入居者に転貸する仕組みです。オーナーとサブリース会社の間で結ぶ一括借り上げの契約のことを「マスターリース(特定賃貸借契約)」、そしてその借り上げた物件を入居者に貸す(転貸する)際、サブリース会社と入居者の間で結ばれる賃貸契約のことを「サブリース(転貸借契約)」と呼びます。
サブリースについて詳しくはこちら
関連記事:サブリース(一括借り上げ)のメリットとデメリット、注意点を解説
池本さん:
昔ながらの地主様というより、「資産価値を最大化したい」という考えをお持ちの後継者の方、あるいは経営的な視点で運用を考えている方には、プロパティマネジメントの良さをより実感していただけると思います。一方で、経営規模が大きくなく、なるべくコストをかけずに、今まで通りのやり方を踏襲したいという方には、従来型の集金管理の方が適している場合もあります。ご自身の考え方や物件の将来像に合わせて、プロに任せる価値と対価を検討してみてください。
賃貸経営を取り巻く環境は、年々厳しさを増しています。建築費の高騰、法規制の強化、人口減少による需要の変化など、オーナーに求められる視点もより高度になってきました。その中で、プロパティマネジメントは単なる「管理」ではなく、「経営パートナー」としての役割を担う存在へと進化しています。
池本さん:
最近は、親御さんから受け継いだ不動産を「事業として活用したい」と考える次世代のオーナー様からのご相談も増えています。プロパティマネジメントの魅力は、オーナー様の考えや方向性に合わせた柔軟な提案ができる点にあると考えています。
建物の価値は時間とともに減っていきますが、プロの手で戦略的に手を加えることで、減価償却を上回る“付加価値”を生み出すことも可能です。「不動産をどう守り、育て、活かしていくか」――その考え方次第で、賃貸経営の可能性は大きく広がります。
こんなオーナー様はご相談ください
・賃貸物件の空室対策に悩んでいる
・建てた物件を売却前提で運用したい
・相続や信託など、家族の資産管理と連携した運用を考えている
・修繕計画や設備更新を戦略的に進めたい
・不動産を事業として成長させていきたい
エイブルでは、賃貸物件の管理やプロパティマネジメントに関するご相談を無料で受け付けています。物件の規模や経営方針、オーナー様の想いに応じて最適な管理プランをご提案いたしますので、ぜひお気軽にお問い合わせください。お問い合わせフォームはこちら