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争続(あらそうぞく)を回避する!専門家と信託会社の活用法とは

賃貸管理相続・節税
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#賃貸経営の知識をつけたい#様々なリスクに備えたい
争続(あらそうぞく)を回避する!専門家と信託会社の活用法とは

賃貸物件から賃料等の収益は受け取りつつも、不動産の管理・運用を第三者に委託することができる「信託」という仕組み。相続対策の一つの方法としても注目を集めています。「争続(あらそうぞく)」とも呼ばれる、トラブルが起きがちな相続を円満に進めるためにポイントとなるのが、被相続人と相続人の間の日頃からのコミュニケーションで、被相続人の思いを相続人と共有することが大切です。しかしながら、なかには、家族がゆえにすれ違うこともあり、家族以外の第三者がサポートした方が良いケースもあります。
今回は、「第3の家族®」として中立な立場で家族のコミュニケーションをサポートしている、一般社団法人プライベートコンサルタント協会の代表理事・青山誠氏をお招きし、専門家を活用しての家族会議の重要性や、相続における信託のメリットなどを伺いました。

聴き手:株式会社エイブル信託 取締役/一般社団法人プライベートコンサルタント協会所属プライベートコンサルタント 豊本裕司

豊本 弊社でご提供する不動産管理信託をお薦めする過程で、相続に関するお悩みを非常に多く耳にします。ご自分だけでなくご家族も含めて、不動産や資産をどうしたいのかがまとまらず、悩まれているようです。また、子どもさんやお孫さん世代からのご相談も多いですね。

青山 相続はお金が絡んでくるので、やっぱりどうしても揉めやすいですよね。私は24年ほど司法書士として相続手続きに対応してきましたが「本人がお元気なうちにご家族とお話ができていれば、ここまで揉めることはなかったのではないか」と思うことは多々ありました。

トラブルの火種は「人」。家族会議の必要性と難しさ

相続を円滑に進めるために欠かせないのが、「家族会議」と呼ばれる家族間での話し合いです。相続に関わる家族全員で資産に関する情報やそれぞれの思いを確認しておくことにより、相続が起きたときに、相続人間のコミュニケーションや手続きを円滑に進めやすくなります。
とはいえ、家族会議の場を設けることはそう簡単ではありません。

豊本 相続全般に関してお客さまのお悩みを伺うことが重要だと感じる中で、『第3の家族®』として家族のようにお客さまと向き合う「プライベートコンサルタント」という存在があることを知りました。まずは研修を受けてみたいと思ったのが、青山さんと知り合うきっかけでした。
私も現在、協会所属のプライベートコンサルタントを名乗らせていただいていますが、この協会は、どういった経緯で始められたのですか?

青山 相続に関わる中で、「人」の部分に専門家が深く関わっていかないと、根本的な問題は解決できないと感じたからです。
相続に専門家が関わるときは、オーナー様が所有する不動産をどのように子どもたちに分配するのか、財産の渡し方として、信託にするのか贈与にするのかといった具合で「モノ・カネ」に対するアプローチがほとんどです。ただ、相続にトラブルが多い要因のひとつが、家族間の人間関係にあります。専門家は基本的に、家族間の人間関係に深く立ち入ることはしません。しかし「円満に相続が終えられた」と家族全員が感じられるゴールに向かうためには、人にフォーカスして、争いの火種を消していく必要があるんです。
その火消しの役割を担う中立的立場の人がどうしても必要だということで、プライベートコンサルタントという仕事を始めました。

豊本 相続の大きな課題となっているのが、当事者の相続への楽観的な見通しにあるのかなと感じています。課題感を持って焦っている子ども世代に対して、当事者である親世代は「自分は大丈夫」「うちは揉めない」と思っている。このギャップを解消するのがすごく難しいと感じています。私も正月に、両親に会ったときに相続について話し合うため、「家族で一度話をしよう」と切り出してみたんです。ただ、やっぱり「まだまだ大丈夫」という感じで、全然話を聞いてもらえませんでした。「これは大変だな」というのを肌で感じた瞬間でした。

青山 そもそも、日本には家族会議という文化がないんです。日本は元々「家督制度」といって、家長(戸主)にあらゆる権限や財産が集中する仕組みがありました。家督制度では、家長の財産は原則として長男が相続するため、相続に関して家族全員で話す必要がなかったのです。今の相続の形になったのは戦後ですから、家族で話し合おうといっても、何をどんな風に話し合えばいいか分からないのは、実は当然のことなんです。「家族の問題は家族だけでは解決できない」というのが、私が相続と向き合ってきて得た結論です。

家族信託と不動産管理信託、どちらが適している?

「信じて託す」という言葉からもわかるとおり、「信託」とは、所有している財産を、信頼できる人に託す行為です。

専門家と信託会社の活用法 図版1(修正)

基本的に、信託をするときには「信託契約」という契約を結びます。相続のシーンでは、信託はどのように活用されているのでしょうか。

豊本 よくあるケースとして、不動産を所有している方が認知症になってしまうと、財産を動かせなくなってしまうことがあります。しかし信託を活用すれば、ご家族などが受託者となり 不動産オーナーに代わり権利を行使することができますよね。不動産オーナーが相続について考えるとき、信託は一つの解決方法として優れていると思っています。
「信託を利用したい」と思ったとき、方法としては、家族信託と不動産管理信託という2つの方法があると思います。青山さんは家族信託をメインにされていますが、不動産オーナーが家族信託と不動産管理信託で迷われたときには、どのように選択すればよいとお考えですか?

青山 家族信託は、不動産という資産を託せる「家族」がいることが大前提です。家族と言っても定義が分かりづらいので、「遠い親戚とも家族信託が組めますか?」と聞かれることがあります。
家族信託の制度そのものとしては問題ないのですが、実質的には難しいことが少なくありません。家族信託を組成するときには金融機関で信託口口座を開く必要がありますが、開設するための条件として、「3親等まで」等様々な決まりがあることが多いからです。

豊本 遠い親戚や姻戚だと、家族信託を組成するのが難しいわけですね。

青山 今の日本では、一生独身の方も増えています。そうすると家族信託が組めないことも多いので、信託をするなら不動産管理信託一択という方も増えるでしょうね。

豊本 家族がいたとしても、仲が悪くて受託者になってもらえないケースもありますし、逆に、仲は良いものの海外に住んでいるので受託者にできないケースもありますね。「家族がいるから家族信託」というわけにはいかないことも多い。

青山 お一人さまの終活や相続についてご相談を受けることもありますが、ご本人が一番見落としがちなのが、日々の生活不安の解消です。
例えば、今は元気でも万が一体調不良で寝込んでしまったら、誰が看病するのか。仮に入院したとしたら、誰が着替えを取りに行ってくれるのか。こうした生活不安もあります。それに、何かあって大きなお金が必要になったときなどは、不動産を売却してお金に換えることも必要かもしれません。そういった意味でも、元気なうちに信託を組んでおくことはリスク管理の一つと言えますね。

どこまで備える?「運用型信託」と「管理型信託」の裁量の違い

青山 その点で言うと、エイブル信託さんは「運用型信託」のライセンスを持っていますよね。

豊本 不動産管理信託には、「管理型」と「運用型」の2種類があります。不動産信託会社は現在35社ありますが、そのうち信託運用型のライセンスを持っているのは、エイブル信託を含めて12社です(2024年2月末現在)。
管理型の場合は基本的に裁量がないので、信託契約であらかじめ定めた範囲以外のことができません。例えば、「高額の医療費が必要だから、不動産を売却して現金に換えよう」といったことを信託会社に依頼して実行してもらうことはできません。あらかじめ契約で具体的に定めていれば別ですが、大幅なリノベーションを施してもらうことも難しいといった特徴があります。
その点、裁量が広く認められる信託運用型の場合は、受託者がオーナーさんのために不動産を売却することもできますし、資産価値をさらに高めるリノベーションを柔軟に施すといったことも可能です。

青山 プロとして、結果に対して最高のパフォーマンスを出すという視点から、かなり広い裁量が認められているということですね。

円滑な相続のために、資産に応じた専門家を選ぼう

豊本 家族信託や遺言信託が普及して、士業の方や金融機関などが家族信託のコンサルティングや遺言作成のコンサルティングを、金融機関が遺言信託を取り扱うケースが増えています。エイブル信託は主に賃貸物件の財産管理を行うというコンセプトですが、家族信託で不動産も有価証券も……と全ての財産を家族に託すのではなく、賃貸物件は不動産の運用に強いエイブル信託に、それ以外の資産は家族信託にと、いった具合に、遺言制度や後見制度も含めた各々の制度の特徴を生かした活用を提案しております。

青山 信託会社が士業や金融機関と連携できると、お客さまもワンストップで資産管理がしやすくなるというメリットがありますよね。今後はそういった動きが出るといいなと思っています。

豊本 家族信託は特に認知症対策としての側面が強いかと思いますが、その他にどういった活用シーンがあるとお考えですか?

青山 私が相談者の方に信託を提案するときには、「”ご隠居”されてはいかがですか?」とお話しすることがあります。実は、日本には終戦直後まで「隠居制度」があったんです。簡単に言うと、「隠居します!」と隠居を宣言することによって家督を長男に譲ることができたのです。

豊本 へえ。それは知りませんでした。面白いですね。「ご隠居様」と言ったりしますが、そこから来ているんですね。

青山 今は本人が亡くならないと相続手続きは開始しませんが、隠居制度があった頃は、本人が元気でも相続手続きを開始することができたわけです。そこで、信託を隠居宣言に代わる手段として活用することを提案することがあります。

豊本 不動産管理信託であれば、面倒な賃貸経営も全てエイブル信託などの信託会社に任せることができますね。家族信託なら、ご家族にお任せすることができる。第二の人生を楽しむ準備として、次の世代への資産承継が可能になるということですね。その発想はありませんでした。

青山 「人生100年時代」とはいえ、健康寿命はもう少し短いですよね。信託を使って元気なうちに引退すれば、あとは自分の好きなことにたくさん時間を使うことができます。相続の生前対策もできるので、実は一石二鳥なんです。こうしたことも視野に入れていただきつつ、お元気なうちに相続に向き合ってほしいですね。

専門家でもない限り、相続に何度も立ち会うことは少ないもの。そのため、何をどのように進めればよいのか悩む方がとても多いようです。
築き上げてきた大切な財産が「争続(あらそうぞく)」になってしまわないよう、元気なうちから家族会議を開くなど、家族間のコミュニケーションを取ることがとても大切です。

この記事に関するお問合せ:エイブル信託(https://www.able-trust.co.jp/

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