お風呂リフォームのポイントをまるっと解説!
毎日の疲れを癒すお風呂は、入居者にとって大切な場所です。賃貸 […]
キッチンやお風呂など、入居者が賃貸物件探しで重要視するのは「水回り」です。中でもトイレは、清潔感のある空間かどうかが入居率に大きく影響します。便座や内装が古い、狭い、清潔感がないといったトイレは、それだけで内見時に入居者が受ける印象を下げてしまうものです。
所有している賃貸物件で「家賃や立地などの条件は悪くないのに、空室が気になる」という場合、もしかすると「トイレ」が原因かもしれません。
そこで今回は、入居率アップのためにトイレのリフォームを検討している大家さんに向けて、リフォームの注意点やアイデアをお伝えします。
目次
駅から近い物件や、築年数が古い物件で家賃を安く設定している場合であっても、 トイレの清潔さや設備が欠けていると入居にはつながりにくいでしょう。毎日使う場所だからこそ、トイレは賃貸物件選びのポイントの1つになるのです。
入居者の目線で見ると、たとえば下記のようなポイントがあります。
・明るく清潔感がある
・内装がおしゃれ
・収納スペースがたくさんある
・温水洗浄便座がついている
暗くて清潔感のないトイレは、多くの方に敬遠されてしまいます。
また、清潔感が大事なのはもちろん、おしゃれな内装は印象アップにつながります。トイレは毎日使うだけでなくゲストも使用する場所なので、おしゃれなトイレは自慢したくなってしまうでしょう。
さらに、充実した収納スペースや温水洗浄便座など、設備が整ったトイレは快適さにつながります。
入居者の視線に立ち、ニーズに合ったトイレリフォームをしましょう。
トイレのリフォームに必要な期間は、行う内容によっても異なりますが、2日間ほどあれば内装まで含めた大掛かりなリフォームが可能です。便座交換のみの場合は、長くても2時間ほどで完了します。
また、工事の最中に水漏れを防ぐため、1~2時間ほど家中で水が使えない時間帯があります。基本的には空室期間に工事を行う場合が多い ものの、予定を組む際には、事前に把握しておきましょう。
それでは、トイレをリフォームする際の流れをご紹介します。
<トイレリフォームの流れ(内装+便器交換など)>
1. 現地調査の手配
2. 現地調査
3. 見積もり作成・受け取り
4. 他社と比較・検討
5. リフォーム工事の契約を結ぶ
6. 施工開始(養生→取り外し・撤去→給排水工事→内装工事→搬入・設置)
7. 施工完了
水回りのトラブルがあったときに、普段から依頼をしている管理会社や修理業者などがあれば、ぜひ見積もりを依頼しましょう。信頼できる相手の場合、比較検討の手間も省け、結果的にリフォームを早めに完了させられます。
「入居者目線で求められるトイレ」を把握し、リフォームの流れについてもイメージできたら、いよいよ具体的にどのようなリフォームができるのか検討していきましょう。トイレのリフォームでは、主に次の2つの方法を行なうことが多いです。
1.便器の入れ替え
2.床や壁紙などの内装に手を加える
それぞれの詳細や注意点について見ていきましょう。
トイレの印象を変えるためのポイント1つ目は、便器の入れ替えです。便器の入れ替えを行う場合、どのような便器を選べばよいのでしょうか。
便器は主に3種類です。以下の表では、下に行くほど価格が上がっていきます。便器をまるごと交換する場合は、それぞれメリットやデメリットが異なりますので、予算やメンテナンスのしやすさなどを含めて検討しましょう。
【3種類の便器の特徴】
便器の種類 | 特徴 |
組み合わせ型 | ・タンクと便器が別になっており、手洗い器をつけることも可能
・隙間や裏側にホコリが溜まりやすいが、修理の際にメンテナンスしやすい |
タンク一体型 | ・タンクと便器がくっついているため、見た目がスッキリしている
・掃除がしやすい反面、修理に手間や費用がかかる |
タンクレス型 | ・タンクなしで水道から直接水を引くタイプ
・トイレの空間が広くなるが、手洗い場を別に設ける必要あり |
便器選びでつい忘れがちなのが「便器のサイズ」です。たとえば空間に対して大きすぎる便器を設置してしまうと、周りが狭くなり使用時に圧迫感を感じたり、掃除がしにくくなったりと使いづらいものになってしまいます。トイレの広さに合ったサイズの便器を設置することが大切です。
また、現在設置してある便座を「温水洗浄便座」に変えるのも1つのアイデアです。日本では新築住宅をはじめ、ショッピングモールや駅などのトイレでも温水洗浄便座の設置が一般的となっています。温水洗浄便座を使い慣れている人、物件選びの際に希望条件として挙げる人も多く、温水洗浄便座はあって当たり前の設備になりつつあるといえます。
便器そのものを交換せずとも温水洗浄便座に変えるだけで、ネット掲載の際にも設備条件として表示することができます。設備が充実した物件を探している入居希望者からの問い合わせにもつながりやすくなるでしょう。
他にも、節電や節水機能がついている便座もあるため、水道代を固定している賃貸物件などの場合、大家さんにとってもメリットになります。 温水洗浄便座へ交換する際は、トイレのコンセントの位置も確認しておきましょう。
トイレの印象を変えるためのリフォームポイント2つ目は、内装に手を加えることです。
トイレ空間の中でも、一番広い面積を占めているのが壁紙であり、次に目につきやすいのが床です。そのため、壁紙や床材にこだわることでさまざまな雰囲気を作り出せます。また、手入れがラクな素材を選ぶことで、入居者からも「掃除が楽」という印象を持ってもらうことができます。
まずは「壁紙」に注目してみましょう。トイレの印象は空間によって決まります。古いタイプの洋式トイレでも、量産クロス壁紙+アクセントクロスの組み合わせで、明るくおしゃれな雰囲気に変えることが可能です。
清潔感を出すことを考えて真っ白な壁紙を選びたいところですが、少しグレーが入っているもののほうが、汚れが目立ちにくいためおすすめです。長い目で見ても、コストパフォーマンスはよいといえます。
続いて「床の材質」についても検討してみましょう。 おしゃれな内装にするため、トイレの床に木材を検討している方も多いかもしれません。実はフローリング材やパイン材などの木材は、水とアンモニアに弱いという特徴があります。せっかくリフォームをしても、木材の床は変色をしてしまいさらにリフォームが必要となる可能性があるのです。
そこでおすすめなのが、耐水性のあるクッションフロアやタイルです。汚れが取りやすいだけでなく、入居者の退去時に行う原状回復の貼り換えも、木材より簡単です。そのため、後期や費用を抑えられます。
入居者目線でより好感の持てるトイレに変えるためのポイントを踏まえながら、トイレリフォームのアイデアを4つご紹介します。
・小物を交換する
・収納棚をつける
・「バス・トイレ別」に変更する
それでは、1つずつ見ていきましょう。
最近では、ペーパーホルダーやタオル掛けも、真鍮製などおしゃれなものが多く販売されています。壁紙の雰囲気に合わせてこれらの小物を選べば、トイレのインテリアに統一感が出て、おしゃれな印象になりやすいでしょう。
また、照明を変えるのもおすすめです。昼白色は明るい印象に、電球色は暖かみのある印象と、照明の色によってトイレの印象が変わります。使用する材質や照明によってイメージが変わるので、想定する入居者に合わせて変えてみるとよいでしょう。
トイレには掃除道具・予備のトイレットペーパー・生理用品など、さまざまなものを置く必要があります。せっかくおしゃれな内装にしても、必要最低限の収納がないと、快適な空間にはなりづらいものです。
掃除道具入れについては床に置くタイプを選ぶ人も多いので、トイレリフォームの際には天井側への収納棚設置や、ペーパーホルダー付近にスマホなどを置ける棚の設置といったことを中心に考えるとよいでしょう。
スペースに余裕があるトイレで手洗い器が設置されている場合には、その下に、手洗い器の掃除に使う小物類を収納できる棚などがあると便利です。
最初からこのような使い勝手のよい収納棚があれば、自分で収納を増やす手間が省けるので、入居者にとっても大きなメリットになるでしょう。
3点ユニットバス(バス・トイレ・洗面所)や2点ユニットバス(バス・トイレ)を導入している場合に、バス・トイレ・洗面所などの空間を分けるのもおすすめです。物件選びの条件として「バス・トイレ別」を挙げる入居希望者も多いので、入居率アップが大いに期待できるリフォーム方法だといえます。
「バス・トイレ別」に変更する際には、次のような選択肢があります。
・サッシで仕切り、バスとトイレを分離する
・浴槽を撤去してシャワールームを設置、残りはトイレスペースにする
・バスと洗面台は2点ユニットとし、トイレだけ別にする
ただし、注意したいのは、スペースが必要であったり、水回りの移設が必要になったりすることもある点です。構造や部屋の広さなどとの兼ね合いで、バスとトイレの分離が難しいケースもありますので、リフォームのプロにしっかりと相談しましょう。
以上、トイレリフォームの注意点やアイデアをご紹介しました。
便器を交換する際は、種類・サイズに注意して選びましょう。また、壁紙や小物、照明などを変えるだけでも清潔感ある空間に生まれ変わりますので、ぜひ検討してみてください。これらを選ぶ際は、汚れが目立ちにくく、メンテナンスがしやすい素材を選びましょう。また、収納スペースを設けるのも、入居者に喜ばれるポイントです。
大掛かりなリフォームが可能な場合は、3点ユニットからバス・トイレ別に変更することも検討してみてはいかがでしょうか。
毎日使うトイレは、入居の決め手となる大切な場所です。トイレを変えるだけでも物件の印象は上がるので、空室対策のためにもリフォームを検討してみましょう。