賃貸の建物構造の違い・メリットデメリットをわかりやすく解説!建て替えに適している構造も
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近年起こっているウッドショックは、賃貸物件を所有している大家さんにとってもかかわりの深いだといわれています。
今回は、ウッドショックの概要や大家さんに与える影響、今後どれくらい続くかなどを解説していきます。ウッドショックの影響をすでに受けている人や、ウッドショックについて不安を感じている人は、ぜひこの記事を参考にしてください。
目次
ウッドショックとは、2021年頃から続いている輸入木材価格の高騰のこと。「ウッドショック」という呼び名は、1970年代に発生した「オイルショック」になぞらえたものです。
アメリカでは新型コロナウィルスの影響によるリモートワークの増加などによって、住宅建築需要が増加。2020年5月のロックダウン解除後からその動きは一気に加速しました。
もともと世界中で虫や山火事が原因で木材が不足していたなかで、コロナの影響による製材所の休業なども重なり、急増した建築用木材の需要に供給が追いつかなくなりました。結果として、価格の高騰が引き起こされたのです。
日本に輸入される木材の価格も高騰しています。特に2021年1月からの輸入木材の値上がりは顕著で、木造賃貸住宅の建設に大きな影響を及ぼしているのです。
新築戸建住宅売買の売り上げは感染症拡大の影響で2020年4月に一度は大きく落ち込んだものの、急速に回復していました。しかし輸入木材価格の高騰を受け、2020年8月にピークを迎えると、そこからは一気に下落しています。このように、ウッドショックは日本国内の木材流通に大きな影響を及ぼし、新築戸建住宅売買の件数は今でも減少し続けているのです。
ウッドショックは、日本の賃貸物件を所有している大家さんに以下のような影響を与えると考えられます。
・建築価格の上昇
・木造賃貸住宅の工期の遅れ
・中古不動産の価格上昇?
それぞれの内容を詳しく見ていきましょう。
ウッドショックの影響で、日本の木材の価格は2020年の3倍まで高騰するかもしれないといわれています。そのため、新築物件の価格も上昇傾向にあります。一般的には新築物件の価格が上がると需要は中古住宅へ向かう傾向にありますが、中古物件自体の件数が少なく、需給バランスがひっ迫している状態です。
ただし、ウッドショックの影響が強いのは戸建住宅や木造アパートがほとんどです。賃貸マンションや軽量の鉄骨造アパートは木材が使われている比率は少ないため、ウッドショックに大きな影響を受けることは少ないと考えられています。
木造賃貸住宅の場合は、重要な木材が不足しているため、工期は遅れることが予測されます。入居者との契約は済んでいても引き渡しができず、家賃収入がないまま建設費の支払いが始まってしまうリスクも視野に入れておきましょう。
工期が遅れそうな場合は、ローン返済スケジュールの調整や金融機関へ早めに相談をするのがおすすめです。何も対策をしておかないと、最悪の場合数ヶ月の赤字になることも考えられます。
新築不動産の価格が上昇すれば、顧客は中古不動産に流れてくる可能性が高くなります。確実に中古不動産の価格が上昇するとは断言できませんが、価格が上昇することを見越して所有している賃貸物件の建物・資産対策を検討しましょう。
自然災害や新型コロナウイルス感染症の影響で続いているウッドショックですが、経済産業省の見解によると、今後も影響が続いていくだろうといわれています。この理由は、丸太の輸入価格が上昇していることから読み取ることが可能です。
輸入丸太の価格が上昇したことによって、国産の木材を使った丸太への需要が高くなっています。2021年9月には前年比76%も上昇しており、ウッドショックの長期化を見越して国内の木材価格が上昇しているという見方もできます。
新型コロナウイルス等の影響で発生したウッドショックにより、不動産の価格上昇や木材住宅の工期が遅れるなど大家さんに大きな影響を及ぼしています。
現状ウッドショックの収束は見えず、影響は今後も継続するといわれています。建物の新築や購入を検討している大家さんは、最新の動向をチェックし、状況に合わせた対応を検討していきましょう。