大家さんになったら知っておきたい経費の種類と確定申告の節税テクニック
土地や建物などの不動産を貸して家賃を得ている場合、確定申告が […]
賃貸経営をする上で避けて通れないのが、確定申告です。しかし、確定申告には青色申告と白色申告があり、一体何が違うのかわからないという方も多いのではないでしょうか。
今回は、青色申告と白色申告との違いを詳しく解説していきます。新しく賃貸経営をはじめた大家さんや、毎年の確定申告の方法で迷っている大家さんは、ぜひ参考にしてください。
目次
結論からいうと、賃貸経営をする大家さんには青色申告がおすすめです。青色申告では特別控除が受けられることが大きな理由です。そのほかにも、賃貸経営をする大家さんにとってうれしいメリットが青色申告にはたくさんあります。
青色申告と白色申告の違いをわかりやすく表にしました。
青色申告 | 白色申告 | |
条件 | 5棟、10室程度の事業規模 | 事業規模未満や青色申告をしない場合 |
提出期限 | 3月15日まで。新規開業の場合は、2ヶ月以内 | 開業届のみ |
赤字の繰り越し | 最長で3年、全額が控除されるまで繰り越せる | 災害など以外は繰り越せない |
記帳方法 | 複式簿記
簡易式簿記 |
単式簿記 |
特別控除 | 複式簿記で申告した場合、65万の控除が受けられる
(簡易式簿記で申告した場合は、45万円、一般の場合は10万円) |
適用なし |
専従者の給与 | 給与の全額を必要経費にできる | 専従者控除は1人50万
(配偶者は86万円) |
経費の範囲 | 自宅に事務所がある場合、家賃や光熱費の一部を経費にできる | 適用なし |
それでは、青色申告のメリット・デメリットを詳しく見ていきましょう。
5棟10室、10部屋以上を所有していること、複式簿記での申告により、65万円の特別控除を受けられます。
赤字が出ても3年繰り越すことが可能です。初期投資にかかった金額を赤字として、3年間にわたり損益通算できます。
「青色専従者給与」として届ければ、専従者の給料を全額経費に計上可能です。
30万円未満の減価償却を一括で経費にできます。
自宅を事務所にした場合、家賃や光熱費の一部を経費にできます。
青色申告をするには、申告をする年の3月15日までに「青色申告承認申請書」を提出しなければいけません。しかし、年度途中で開業した場合は2ヶ月以内に提出する必要があります。間に合わなかった場合、翌年からの申請になります。
特別控除を受けるには、複式簿記での記入が必要です。しかし、複式簿記の記入は専門的な知識が必要です。会計ソフトの導入や、場合によっては税理士への依頼することも考えると、コストがかかります。
それでは、白色申告にはどのようなメリット・デメリットがあるのでしょうか。
白色申告は事前申請が不要なので、手続きも簡単に済みます。
白色申告の記帳は単式簿記で良いため、日毎の合計金額で記帳可能です。
特別控除を受けられません。
専従従業員の控除額に上限があり、1人50万円、配偶者は86万円までと決まっています。
災害などの被害がない限り、赤字が出ても翌年に繰り越せません。
青色申告で確定申告をする場合の流れは以下の通りです。
「所得税の青色申告承認申請書」を税務署に申告します。給料を支払う専従者がいる場合は、青色専従者給与に関する届出書も提出しましょう。
記帳をします。(65万円の特別控除を受けるには、複式簿記で申告する必要があります)
所得税青色申告決算書、確定申告書Bを作成します。
管轄の税務署に所得税青色申告決算書と確定申告書B、添付書類を提出します。
白色申告で確定申告をする流れは以下の通りです。
記帳をします。
確定申告書Bと収支内訳書を作成します。
管轄の税務署に確定申告書Bと収支内訳書、添付書類を提出しましょう。
事業規模が大きくなると、確定申告も複雑になっていきます。簿記や会計の知識がないと、ハードルが高いと感じる方も多いでしょう。
確定申告で困ったら、税理士に相談するというのも一つの手です。プロに依頼することで、間違いなく確定申告を行えます。
今回は、青色申告と白色申告の違いや、メリット・デメリットを解説しました。白色申告は記帳の仕方や手続きが簡単というメリットがあります。しかし、賃貸経営をする大家さんにとっては青色申告の方が大きなメリットがあります。これから確定申告をする大家さん、確定申告で迷っている大家さんは、ぜひ青色申告を活用してみてください。