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新型コロナウイルスの蔓延により、接触機会を減らすためにオンライン化が進み、紙媒体よりも電子媒体を使う機会が増えたという人も多いのではないでしょうか。令和4年5月18日に施行された宅地建物取引業法(宅建業法)施行規則の一部改正により、不動産業界においてもこれまで書面交付が義務付けられていた35条書面(重要事項説明書)と37条書面(賃貸借契約書)手続きの電子化が可能となりました。
今後オンライン化の本格化にともない、中には戸惑ってしまう方が多く出てくる可能性も高いです。 そこで今回は、賃貸借契約の電子化にスポットをあてて、紙媒体との違いや、メリット・デメリットなどを解説していきます。賃貸借契約の電子化を検討中の大家さんは、ぜひ参考にしてみてください。
目次
不動産業界でも話題となっている、電子契約書とはどのようなものなのでしょうか。完全オンライン化にいたるまでの流れと、これまで使っていた紙の契約書との違いなどを詳しく見ていきましょう。
不動産取引契約のオンライン化は2017年より段階的に始まり、2022年5月についに宅建業法の改正に至った という経緯があります。
・2017年10月…賃貸仲介における重説(重要事項説明書)のIT化開始
・2021年4月…売買仲介における重説(重要事項説明書)のIT化開始
・同年5月…デジタル改革関連法が成立
・2022年5月…宅建業法の改正にともない、契約時押印の不要、重説・賃貸借契約書の電子書面交付が全面的に可能となる
新型コロナウイルスの感染予防として、オンラインで契約する必要に迫られたという背景も追い風となり、不動産業界での取引のIT化は今後もさらに普及が進むと考えられます。
賃貸借契約に関わる書類を電子化することによって大家さんにはどのようなメリットがあるのでしょうか。1つずつ見ていきましょう。
賃貸借契約には管理会社や入居者、仲介会社などさまざまな人が関わることになりますが、紙の媒体では基本的に郵送でのやり取りになるため、手間や時間がかかってしまいます。しかし、電子化すると電子署名で契約を締結することができるので、業務を効率化できるようになります。
紙の契約書を作成する場合、用紙代や印刷代のほか、郵送代や印紙税などがかかります。1つの契約にかかるコストは少ないものの、契約の回数が多くなるとその費用もかさんでしまうことになるでしょう。電子契約にするとこれらの費用がかからなくなるので、大幅にコストを削減することができます。
紙媒体での契約の場合、契約書を郵送でやり取りする必要があり、何かと時間がかかります。急いで入居したい場合でも、契約の締結までに最低3日程度は必要でしょう。
しかし、電子契約であれば今までのような手間がかからないため、急ぎで入居したいという人のニーズに応えることが可能です。また、遠方の入居希望者との契約もスムーズに行うことができるようになりますので、契約機会も増えます。コロナ禍において実際に賃貸借契約のオンライン化を採用している不動産会社のサイトは増えてきています。契約書等の電子化は、総合的にも今後の入居率のアップにつながるでしょう。
紙の契約書は保管の際に紛失のリスクがともないます。その点、電子契約書の場合はデータとして保存しておけるので、紛失のリスクが少なくなります。
紙の契約書の場合、記入漏れや印鑑の押し忘れなどの不備が起こりがちです。そうなると、再度郵送でやり取りをする必要が出てくるため手間がかかります。電子契約書の場合はシステムの方でチェックしてくれるので、記入漏れなどの不備を防ぐことができます。
便利な面が多い電子契約書ですが、以下のようなデメリットもあります。では詳しく見ていきましょう。
紙媒体に慣れている方も多く、オンライン上での契約に不安を感じる人も少なくありません。電子契約書の導入にともない、更新契約書も電子化するのであれば、既存の入居者にも十分理解してもらう必要があります。高齢の方やパソコンなどの操作が苦手な人にとっては、操作のサポートなども必要になるでしょう。
賃貸借契約に関して、一部の契約では紙の書面でなくてはならない場合もあります。電子契約と紙媒体での契約が交じることで、業務が複雑になる恐れがあります。トラブルを防ぐためにも、不動産仲介業者や管理会社との連携を大事にしながら進めていきましょう。
最後に賃貸借契約の種類別に、電子化できる契約とできない契約について整理してみると以下のようになります。
電子化できる書類 | 電子化できない書類 |
・宅地建物の売買/交換/賃貸借契約書(37条書面) ・重要事項説明書(35条書面) ・契約更新時の合意書 ・媒介/代理契約締結時の交付書面 ・指定流通機構登録時の交付書面(レインズへの登録証明書) ・定期建物賃貸借契約書及び事前説明書面 ・一般定期借地契約書 |
・事業用定期借地契約書 (公正証書のみ可) |
先ほどもお伝えしたとおり、通常の賃貸借契約書と重要事項説明書、定期建物賃貸借契約書及び事前説明書面、一般定期借地契約書に関しては、電子契約が可能です。また、入居後に行う契約更新時の合意書に関しても、法律で制限されていないため電子化が可能です。
今回は不動産業界で普及が広まっている「賃貸借契約の電子化」について解説しました。大家さん側はもちろん、入居者にとってもメリットが多い電子化ですが、トラブルを防ぐためには不動産会社や管理会社との協力が必要です。気になる方は、所有する物件の管理会社に相談してみることをおすすめします。