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賃貸住宅の相続の基本 手続きの流れから節税対策まで解説

相続・節税
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#賃貸経営の知識をつけたい
賃貸住宅の相続の基本 手続きの流れから節税対策まで解説

賃貸住宅を経営している方の多くは、相続について1度は考えたことがあるのではないでしょうか。賃貸住宅を経営してる親を持つ子供も、いずれは相続する日がくることを、漠然と思うことは当然のことと言えます。

今回は、賃貸住宅の相続をスムーズに進められるように、相続に関しての大まかな流れや、節税対策などを紹介します。賃貸住宅の相続をお考えの方はぜひ参考にしてください。

賃貸住宅の相続手続きの流れ

賃貸住宅の相続においての大まかな流れは以下のとおりです。

・相続財産を把握する
・遺産分割の協議
・登録申請を行う

それではそれぞれの手続きなどを詳しく見ていきましょう。

相続財産の把握

賃貸住宅の相続には、相続財産を把握することが重要です。相続の対象は土地やアパートなどの賃貸物件に限らず、現金や借入金などの負債も対象となります。

万が一、負債の方が多い場合は相続放棄という選択も可能です。その場合、相続が発生してから3ヶ月以内に行う必要があります。

遺産分割協議

相続人が複数名いる場合にやらなければいけないことが、遺産分割協議です。しかし、遺産分割協議を行う前に、遺言書の有無を確認しましょう。遺産分割協議は、1ヶ月程度の時間がかかります。せっかく協議しても、後から遺言書が出てきてやり直しになるケースもありますので、遺言書の確認は重要な作業と言えます。

また、相続人が1人の場合は、遺産分割協議を行う必要はありません。

登記申請

遺産分割協議や遺言書などで、賃貸住宅を相続する人が決まった場合、登記所で名義変更を申請する必要があります。自分で行うか、司法書士に代行を依頼することも可能です。

「アパートの固定資産税評価額×0.4%」で計算した登記手数料を支払う必要があります。司法書士に依頼した場合の相場は10万円前後です。

賃貸住宅の相続に必要な書類

賃貸住宅の相続に必要な書類は以下のものがあります。

・被相続人に関する書類・資料
被相続人に関する資料としては、戸籍謄本(出生から死亡までに至る全てが記載されているもの)、住民票の助票(本籍が記載されているもの)が必要です。

・相続人に関する書類・資料
相続人に関しては、相続人全員の戸籍謄本(被相続人が亡くなった日以降のもの)、相続人全員の印鑑証明、賃貸住宅を相続する人の住民票、賃貸住宅の登記事項証明書、賃貸住宅の固定資産評価証明書(本籍記載のもの)、遺産分割協議書(自分で作成するか、司法書士に作成してもらったもの)が必要です。

賃貸住宅の相続税の計算方法

相続2

相続税の計算方法は以下のとおりです。

 

課税遺産総額×法定相続分×税率-控除額=各相続人の仮の相続税額

土地・建物をはじめ預金などのプラスの財産から、借入金や未払金などを引いた額が遺産額です。その遺産額から、基礎控除額を引いたものが課税遺産総額となり、相続人で分割し相続税の総額を算出します。

それでは、賃貸住宅において、一棟の場合と一室の場合で解説していきましょう。
参考:https://www.nta.go.jp/publication/pamph/koho/kurashi/html/05_4.htm

賃貸アパート・賃貸マンション(1棟)の場合

1棟のアパートやマンションの相続対象は土地と建物となり、以下の流れで計算します。

土地と建物の評価額を算出する。※
土地と建物の相続税評価額を足し、賃貸アパート・マンションの相続税評価額を出す。
現金等その他の遺産総額と、相続税評価額を足すと、相続遺産総額が算出される。
2の評価額から、相続税の基礎控除、配偶者控除などの控除額を差し引くと相続税評価額が決まる。
相続人の数や、割合により、最終的な相続税額が決定する。

※土地の評価額=更地の評価額×(1-借地権割合×借地権割合×賃貸割合)
建物の評価額=固定資産税評価額×(1-借地権割合×賃貸割合)

戸建て貸家・賃貸住宅(1室)の場合

戸建て貸家や賃貸住宅(1室)の場合も、基本的には相続評価額から控除額を引いたものが相続税となります。賃貸住宅(1室)の場合は土地と建物ではなく、専有部分と共用部分についての自己所有分から算出します。

賃貸住宅の相続税の節税方法

賃貸住宅の相続は、現金などの金融資産の相続に比べると有利になります。例えば、5,000万円の現金を相続する場合、評価額はそのまま5,000万円の価値となりますが、5,000万円で購入した賃貸住宅は5,000万円より評価額を下げることができるため、税金の節約になるという仕組みです。

他に節税対策としてできることは、借入金を増やしておくことと、賃貸住宅割合を上げて評価額を下げるという方法があります。リフォーム費用などで借入を増やしておけば、相続税評価額を下げることができるのです。また、賃貸住宅割合が高いと所有者が自由に扱えない部分があるとみなされ評価額が下がるので、結果的に相続税も下がります。

賃貸住宅の相続は節税対策になる? 小規模宅地等の特例とは

賃貸住宅を相続する場合は土地のみで相続する場合と比較すると相続税が低くなります。
また、小規模宅地等の特例といって、相続対象の土地の相続税評価額を減額できる制度もあります。この特例に当てはまると330㎡までの土地面積に対して、80%の減額ができ、貸付事業以外の特定事業用地に使われていた土地の場合は、400㎡までの土地に対して80%の減額となります。

賃貸住宅の相続は早めの準備が大切

今回は、賃貸住宅の相続をスムーズに進められるよう、相続に関しての大まかな流れや、節税対策などを紹介しました。相続には時間がかかるため、相続財産の把握や遺産分割の協議、登録申請を慎重に行われなければなりません。相続が決まっている場合は、早めに準備しましょう!

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