生産緑地とは?2022年問題と土地活用方法について簡単に解説
生産緑地とは、一定の条件をクリアした市街化区域内にある農地な […]
土地を貸し出す場合、どのような方法があるのでしょうか。ここでは、借地借家法のルールや土地を貸し出す方法、土地を貸し出す際の注意点、土地の賃貸相場の調べ方について詳しく解説します。土地の賃貸について興味がある方は、ぜひ参考にしてみてください。
目次
借地借家法とは、土地や建物の賃貸借で貸す側・借りる側の権利や義務を定めたものを言います。目的は、借地権者と建物の賃借人を保護すること。権利の相続について強い保護を与えています。借地権者は地上権者と土地の賃借権者、両方を含みます。
借地について借地権の存続期間を最低でも30年とすることや、建物の賃貸借については建物の引き渡しによって耐効力を付与する規定があり、借り手の方が優位になるように法律が制定されています。さらに借地や借家に充てた資本の回収に配慮する規定も設けられています。
土地を貸す方法には2種類あります。ひとつずつ見ていきましょう。
土地の所有者側にとって、貸した土地がいつまでも返ってこないとなると借地にしようという気持ちになりません。その点が考慮されて、平成4年に新たに借地借家法に追加された制度が定期借地です。
定期借地には、一般定期借地・建物譲渡特約付借地・事業用定期借地があります。それぞれ異なる条件ではありますが、契約期間の終了と同時に借地関係は解消されます。例えば一般定期借地権では50年以上の期間が設定され、期間満了したときは更地にして返還されます。
普通借地は、30年以上の期間を定め土地を貸し出すこと。最初の更新は20年、2度目の更新以降は10年ごとに行われるのが一般的です。設定された期間が満了して借主が契約の更新をしたいと申し出たときに、貸主側に正当な事由がなければ拒否できません。
つまり、断る正当な理由がなければ希望した分だけ貸すことになり、いつまでも返ってこない可能性があります。貸主にとって不利な制度と言えるでしょう。
土地を貸そうと計画している際は、次のような点に注意するようにしましょう。
用地地域とは、計画的な市街地を形成するために用途に応じて13地域に分けられたエリアのことです。建てられる建物の種類や大きさなどが制限されています。
例えば第一種低層住居専用地域では、高さ10メートルまたは12メートルまでの建物しか建てられません。あまり集合住宅用地として貸し出すことには向いていないでしょう。
用地地域についてはほとんどの自治体がホームページに公開していて、貸し出したい土地が用途地域かどうかインターネットでも調べることができます。あらかじめ調べておくようにしましょう。
土地の賃貸契約は、基本的に長期間になります。普通借地の場合は30年以上で、更新時に借主が希望して正当事由がない場合はずっと貸し出し続けることになります。一般定期借地だと契約期間満了で契約は終了しますが、50年以上の期間を設定しなければいけません。
長期間土地を他のことに使用することができないため、借地契約を結ぶ前にしっかり検討する必要があるでしょう。
土地の賃料は地価の上昇や下落、租税公課の増減、近隣相場との差異などによって変動する可能性があります。状況によっては賃料が下がってしまう場合もあるでしょう。
土地の賃料を生活資金に充てようと考えている場合は、影響がある可能性があるので注意が必要でしょう。
土地の賃貸相場を調べる方法はいくつかあります。
例えば土地から得られる期待利回りから算出する「積算法」、対象の土地と類似した使い方の土地の地代から算出する「取引事例比較法」、その土地が将来生み出すと想定される収益を元に算出する「収益分析法」、公租公課に一定の倍率を掛け合わせて算出する「公租公課倍率法」などです。
今回は、これら算出方法の中でも一番計算がしやすく精度も高い「積算法」について解説します。
積算法とは、土地から得られる期待利回りによって賃料を算出する方法です。期待利回りとは投資額に対して年間でどのくらいの収益になるかを占めるもの。本格的に求めるならば複雑な計算が必要ですが、概算で2%として計算することも可能です。
更地価格とは、その土地を更地の状態で売却したらいくらになるのかというもの。公示地価などから調べることができます。
「土地の賃料(地代) = 更地価格 × 期待利回り + 必要経費」という計算式で、賃貸相場を求めることができます。
土地を貸し出す際は、少なくても数十年に及ぶ契約が前提となります。
まずは借地借家法や土地を貸し出す方法についてよく知りましょう。適正な賃料を割り出すことも大切です。長期契約になるのでメリットやデメリットについてもよく考え、納得した上で土地の売買契約を結ぶことをおすすめします。
なお、賃料の鑑定を業者に依頼する際は、実績豊富で対象地域に詳しい業者を選ぶようにしましょう。