【生産緑地2022年問題】アパート経営にもたらす影響と損しないための対策をわかりやすく解説!
不動産業界ではいま、「生産緑地法」や「2022年問題」が話題 […]
土地の価格というと、資産価値によって算出される価格と売値価格の2つしかないイメージがあるかもしれませんが、実は大きく分けても5種類の価格があります。土地の売買に関しては専門家任せになりがちですが、ある程度の知識を持っておかないと損をしてしまうかもしれません。
ここでは、代表的な5種類の価格の特徴を紹介するので、違いをしっかり理解しておきましょう。
物は「一物一価」とされていますが、これはあくまでも建前です。
たとえば、電化製品を買いに行くと、実際の販売価格の上に「希望小売価格」や「オープン価格」など元の売値が書かれています。つまり、一物二価になっているものがたくさんあるのですが、土地の場合は一物四価や一物五価といわれていて5種類もの価格があります。
それぞれの価格には意義があり、売値を決める重要な指標となっているので、正しく理解することが大切です。
実勢価格というのは、簡単にいうと実際に不動産取引で売買されるときの価格のことです。つまり、500万円で売られている土地の実勢価格は500万円ということになります。
基本的に、土地の価格というのは相場がありますが、実勢価格に関しては売主など土地の売買に関わる人の事情によって決まるため、相場が反映されているとは限りません。
たとえば、相場は500万円の土地であっても、売主が早く売りたい場合はそれ以下になることもありますし、販売されていない土地をどうしても欲しいという購入者がいた場合は相場より高くなることがあります。
実勢価格は相場に売主・買主の事情等が含まれて決まるものですから、同じ条件の土地であっても価格が異なることがあるのです。
公示価格というのは、正式には「地価公示価格」と呼ばれているもので、国土交通省の土地鑑定委員会が地価公示法に基づいて公示する標準値価格のことを指します。都市計画区域内の標準的な土地を選び、毎年1月1日時点で、1㎡辺りの正常な価格を判定し、3月に正式に公示されます。
もちろん、この価格で売買しなくてはいけないということではありませんが、取引の指標とされる価格であり、公共用地取得価格の算定や固定資産税評価、相続税評価を決める際の目安になるものです。
路線価格というのは、道路に面した土地の価格のことを指します。路線価格には、相続税路線価と固定資産税路線価の2種類があるのが特徴です。相続税路線価は、相続税や贈与税を決める際に使われる路線価格で、固定資産税路線価は固定資産税を決める際に使われます。
路線価格が発表されるのは毎年7月1日で、国税局もしくは各地税務署が算定を行います。相続や贈与が発生した場合、その年の路線価格で計算をするため、たとえば2021年1月に相続があった場合は7月の路線価格が発表されるまで相続税がいくらになるかわかりません。
路線価格は、基本的に国税庁のホームページに載っているので、最新価格を調べたい場合はチェックしてみるといいでしょう。
固定資産税評価額というのは、固定資産税を決めるときの基準になる評価額のことを指します。土地や家屋の評価に関しては、「固定資産税評価基準」に基づいて各自治体が個別に固定資産税評価額を決めています。
土地の場合だと時価の約7割が固定資産税評価額の目安になりますが、評価額の算出には土地の場所や周りの環境、面積、形状、路線との接し方なども関わってきます。建物であれば、新築の場合は約5割から6割が固定資産税評価額の目安ですが、築年数や家の規模、構造で評価額が変わるのが一般的です。
固定資産税評価額は納税通知書に記載されているので、すでに土地や家屋を所有していれば課税明細書でチェックできますが、購入する側は実際の評価額を提示してもらわなければ知ることはできません。
基準地価というのは、国土利用計画法に基づいて算出されるもので、都道府県が基準地の1㎡辺りの価格を判定するため「都道府県調査地価」とも呼ばれています。判定するのは7月1日時点で、正式な価格の発表はその年の9月下旬ごろに行われます。
基準地価は一般の土地取引でも算出されますが、民間企業や地方公共団体が土地を取引するときの目安としても使われます。国道交通省による公示価格と同じと思う方もいるかもしれませんが、基準日や発表日、実施機関、評価する不動産鑑定士、基づく法律などが異なるので同じではありません。
しかし、手順や評価方法などはほとんど同じなので、公示価格の補完という役割を果たすのが基準地価という見方もあります。
基準地価の管轄機関は自治体ですが、決定後は国土交通省のホームページに公示地価とともに掲載されるので、いくらか知りたい場合は国土交通省の専用ページでチェックできます。
土地の価格が適正かどうかというのは、土地の周辺環境を目安にするのが一般的かもしれません。しかし、上記に挙げた5種類の価格に沿って値段を決めることが原則となっているので、売値を鵜呑みにしないようにしましょう。
価格を決める制度を理解しておけば、土地の適正価格の目安をつけることもできるので、不動産会社に相談してみるのがおすすめです。