家族信託を活用した不動産相続って?メリット・デメリットやトラブル対策法を解説
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賃貸経営を始める際、できるだけ安く賃貸物件を購入するために「相続物件」の購入を検討している方も多いのではないでしょうか。価格交渉に成功すると相場よりも安く賃貸物件を購入できる「相続物件」ですが、価格交渉にはコツがいる他、注意しなければいけないポイントもあります。
今回はそんな「相続物件」について解説していきます。
目次
相続物件とは主に、相続した賃貸物件を手放したい人が売却する仕組みとなります。手放したいということは需要がないということなので、売主に対して価格交渉がしやすく相場よりも安く賃貸物件を手に入れられるケースが多いのです。
また、売主に賃貸物件の知識がないため、価値がわからず家賃交渉しやすいともいわれています。
相続物件はこのような理由で売却されることが多いです。
・賃貸物件を管理することが難しいから
・すぐに現金にしたいから
・税金が発生するから
不動産を相続したものの、どう管理していいかわからず、早いうちにお金にしたいと考える方が売却する傾向にあります。
価格交渉がしやすい相続物件ですが、とくにどんな物件が価格交渉できるのでしょうか。以下の3つのポイントに絞って解説します。
販売から時間が経っている賃貸物件は、売れ残り感が出てしまい、物件そのものの価値が下がります。需要がないという判断材料にもなるので、販売から長期間が経っている賃貸物件は値下げ交渉がかなりしやすいです。
また、販売から時間が経つとその賃貸物件に対するコストもどんどん膨れているので、安くしてでも手放したいと考える売主が多いのも価格交渉しやすい一つの理由です。
相続人が少ない場合は、賃貸物件に関係する費用を少ない人数で負担することになるので、一人当たりが支払うコストが高くなります。そのコストから解放されるために、安い金額でも賃貸物件を売却したいと考える売主が多いです。
相続物件には相続の開始を知った日の翌日から10ヶ月以内の間に相続税が課されてしまい、その期間を過ぎると加算税や延滞税が追加でかかってしまいます。そういった課税を避けるために、急いで相続物件を売却したいと考える売主もいます。
そんな相続物件には、購入の際に注意しなければならない点がいくつかあります。この注意点の確認を怠ってしまうと、最悪の場合、お金を払ったのに賃貸物件を受け取ることができないといったトラブルも起こりかねません。どんなことに気をつければいいのか、それぞれの注意点を詳しく見ていきましょう。
売主が相続物件の所有者ではない場合、その物件を購入することはできません。基本的には売主と相続物件の所有者は同じですが、売主本人が高齢のため、親族などの代理人が窓口になるケースもあります。
しかし、その代理人の売主がお金を騙し取ろうとする赤の他人である場合や、所有者と意思の疎通が図れておらず、売り出すつもりはないのに売り出してしまっているケースもあるので、必ず売主が所有者かどうかを確認しましょう。
所有者の確認方法については、実際に所有者に会うことや書類を確かめるなどが挙げられます。遺言が存在する場合には遺言による相続が優先され、ない場合は法定相続となります。
売主以外に相続人がいる場合は、相続物件の名義が共有名義になっている可能性が考えられます。共有名義になっていると、相続物件の購入の際に相続人全員と売買契約を結ばなければいけません。共有する相続人が多ければ多いほど手続きが複雑で時間もかかるので、それを見越した計画をたてる必要があります。
万が一、売主以外の相続人が売却を反対した場合、相続物件は購入できません。購入できなかった場合、その後のライフプランが大きく変わってしまう可能性もあるため、購入前に売主以外の相続人がいるか必ず確認しましょう。
2015年から相続税の仕組みが変わり、基礎控除額が引き下げられたため相続税が発生する対象が広がりました。
そもそも相続税とは、親族から相続された財産にかかる税金のことです。2015年までは基礎控除額が5,000万円+(1,000万円×法定相続人の数)以上の相続に対して発生していましたが、2015年に相続税法が改正され基礎控除額が3,000万円+(600万円×法定相続人の数)以上の相続に発生すると引き下げられました。
この相続税法の改正によって相続税を払わなければいけない対象の人数が増え、相続税の支払いを回避するために相続物件を売りに出す件数が多くなったといわれています。
先述の通り、相続税が発生するのは相続後10ヶ月以内なので、結果的に急いで売りたい売主に価格交渉ができるチャンスが増えたのです。
管理が難しく相続税や維持費が必要になる相続物件は、急いで売りに出される可能性が高く、価格交渉ができる可能性が大いにあります。とくに、売却から長期間売れ残っている物件や、相続人が単独の場合、売主が急いで売却したい場合は価格交渉のチャンスです。
しかし、お得に購入できると思われがちな相続物件は、売主と所有者が違っていたり、相続人が複数人いたりする場合は購入ができない場合もあるので、しっかり所有者を認識した上で購入しましょう。