
老朽化アパートを建て替えたい!基準となる年数や費用を基礎から解説
経営するアパートが老朽化してきて、建て替えを検討しているオー […]
マンションを経営すると気になってくるのは賃貸物件の経年劣化。古くなったマンションを建て替えて新しくするか、一層のこと売却してしまうか、大家さんの悩みポイントではないでしょうか。建て替えを予定している場合は、どれくらいの年数で立て替えるべきかも迷うところです。
今回は、マンションを建て替えるか売却するか迷っている大家さんに向けて、マンション建て替えの流れや費用、それぞれの特徴について解説します。
目次
まずはマンション建て替えの平均年数を知っておきましょう。平均年数は30年程度と言われています。しかし、この年数というのは決して老朽化して住めなくなった年数というわけではなく、過去にマンションが建て替えをした平均年数が30年程度ということです。なので、築30年以上のマンションも多く存在しています。
近年ではコンクリートの技術が進化してマンションの耐久性があがり、60年以上住むことができるマンションも多くあるのが実情です。
賃貸物件が古くなった場合、建て替えと売却はどちらを選ぶべきなのでしょうか。大きな判断ポイントはマンション建て替え費用の確保と、売却価格を知っておくことです。
マンションを建て替えるには高額の費用がかかります。しかし、建て替えたことでそれを上回る家賃収入が期待できるなら、マンションの建て替えをするべきでしょう。
売却の場合は、売却金額を把握することが重要です。不動産価格は常に変動するので、理想的な金額で売ることができるなら、売却することをおすすめします。
では、どんな賃貸物件が建て替えに向いているのでしょうか。成功するマンションと失敗するマンションの特徴をそれぞれ見ていきましょう。
こんなマンションが建て替えに向いています。
・建物の大きさに比べて敷地が広い
・高さ制限がない土地である
・立地が優れている
敷地に余裕があったり、建物の高さ制限がなかったりする場合は、建て替えの際に建物の広さを大きくすることが可能です。階数が高くなると戸数が増えるので、結果的に家賃収入の増加に繋がります。
さらに賃貸物件が好立地な場所にある場合、入居者の需要が高くすぐに部屋が埋まる傾向が強いです。立地が良い物件は家賃を高く設定できるため高い家賃収入が期待でき、建て替えの負担を軽減できる可能性もあります。
対して建て替えに向いていないマンションは以下のとおりです。
・建て替えの費用がない
・建物の大きさに比べて敷地が狭い
・住民の賛成が得られていない
高額な費用がかかるマンションの建て替え。基本的に建て替え費用は、建て替え時に賃貸物件の戸数を増やし、その家賃収入でまかなわれるケースもあります。しかし、敷地が狭いと建物の広さを変えることができないため、建て替えの実現が難しいのが実情です。
また、建て替えをするにあたって入居者の4/5以上の賛成が必要となります。建て替え中は入居者が借り住まいに住む必要があり負担がかかるため、なかなか賛成を得ることは難しいでしょう。
次に、売却に向いているマンションも見ていきましょう。成功するマンションと失敗するマンションの特徴をそれぞれまとめました。
次に売却に向いている賃貸物件を紹介します。
・空室数が多いマンション
・立地が悪い
・周辺に競合の賃貸物件が多い
空室数が多いマンションは、建物はもちろん立地など周辺環境にも問題があると考えられます。建物を建て替えても周辺環境が改善されなければ入居者の増加は望めないため、売却する方がリスクは減らせます。
周辺に他の賃貸物件がたくさんある場合も、供給過多になり、空室が増えるリスクがあります。このような場合も建て替えでは改善しない問題なので、売却するのが良いでしょう。
こんな賃貸物件は売却に向いていません。
・立地が優れている
・部屋が魅力的でない
・住宅ローンが残っている
好立地の賃貸物件は、入居者の需要が高いので家賃を高く設定できます。売却価格よりも家賃収入の方が収益が高くなる可能性もあるので、簡単に売却を選ぶと損をすることもあります。
売却を決めても、マンションの部屋が古かったり設備が老朽化している場合は、売り手が見つからず売却できない場合もあるので注意しましょう。
また、住宅ローンが残っている場合は売却価格がローン残高を下回る可能性があるので、売却できないこともあります。
マンションの建て替えは、長期間のプランが必要です。順に沿って流れを見ていきましょう。
・建て替えの検討をはじめる
・建て替えが可能か専門家に相談する
・管理組合を立ち上げ具体的な検討をはじめる
・入居者にマンション建て替え計画を相談する
・建て替え決議で入居者の4/5以上の賛成をもらう
・建替組合を立ち上げる
・建て替えに不参加の入居者の売り渡しを請求する
・工事計画を検討し確定する
・マンション建て替え工事を着工する
・新管理組合を立ち上げる
円滑にマンション建て替えを行うために、「マンション建替え円滑化法」に基づいて建て替えを進めていくことが重要です。
そんなマンションの建て替えにかかる基本的な費用は、以下のとおりです。
立ち退き料 | 1戸あたり50万円~80万円程度 |
解体工事費用 | 坪7万円~8万円程度 |
新築工事費用 | 坪100万円~120万円程度 |
たとえば50人住む500坪の鉄筋コンクリート造のマンションを建て替える場合、5.6億円〜6.65億円程度の費用が必要です。
賃貸物件の場合は大家さんが全額負担するのが一般的ですが、分譲物件の場合マンションの一部は入居者の資産となるため、建て替えの費用も入居者が負担をしなければいけない場合が一般的です。分譲マンションの建て替え費用の基本相場は、建設費だけでも1戸あたり1,000~2,000万円程度となります。
マンションの築年数が30年近くなったときに考えるべき建て替えと売却。マンションの建て替え費用の確保と売却価格を考えて、どちらの方法にするかを判断することが重要です。
建て替えで戸数を増やし、家賃収入で建て替え費用がまかなえる場合は建て替えがおすすめ。建て替えても入居者数の増加が見込めない場合は、売却するのが良いでしょう。
マンションの建て替えには長期の期間を要するほか、入居者数の4/5の賛成が必要です。また、賃貸物件と分譲物件で費用の負担額が変わってくるので、建て替えを考えたらすぐに専門家に相談して長期的なプランを立てていきましょう。