
賃貸物件の害獣被害。駆除方法や費用負担について解説します!
所有する賃貸物件にネズミやハクビシンなどの害獣が発生したり鳥 […]
アパートやマンションの共用部分などの「雑草問題」は、大家さんを悩ませる問題の1つ。賃貸物件の庭など専有部分の場合は原則として入居者に管理責任がありますが、共用部分の場合にはオーナーに管理責任があります。
伸び放題の雑草は、内見の際など印象に悪影響を与えてしまうのはもちろん、場合によっては入居者からクレームが入ることも。今回は、大家さんなら知っておきたい雑草の対策方法と、対策グッズをご紹介します。
目次
共用部分の雑草対策を怠ると、次のような悪影響が生じます。
雑草が生い茂ったままの賃貸物件は、手入れがされていない印象を与えます。内見に訪れた入居希望者からも「管理が行き届いていなさそうだな」と判断され、契約に至らないケースもあるでしょう。空室対策としても、雑草の放置は禁物です。
物件の美観を損なうことによるイメージダウンは、すでに物件に住んでいる入居者が管理状態に不信感を抱くことにつながります。「雑草が通行の邪魔になっている」「害虫が発生している」といった報告を受けてから都度対策を講じていては、入居者と良好な関係を維持することはできません。クレームが入る前に庭木の剪定や雑草の除去を行うのがベストです。
雑草対策を怠ることで生じる悪影響は、経営する賃貸物件だけの問題にとどまりません。伸び放題の雑草が近隣住宅に侵入したり害虫が発生したりして、近隣住民からクレームが入るケースも考えられます。
雑草対策を始める「季節」は重要です。
日差しが強まっていく梅雨以降は、雑草がどんどん成長していく時期でもあります。そのため液体タイプの除草剤の散布や草刈り、草むしりは、まだ雑草が伸び切っていない夏前までに行うのが一般的。
除草後の秋から春にかけては、雑草の抑制に効果的な粒状タイプの除草剤の散布など、雑草予防に注力していきましょう。
雑草対策は「すでに生えている雑草」と「今後生えてくる雑草」で対策が異なります。まずは、すでに生えている雑草の対策方法5つと注意点をお伝えします。
除草剤のメリット ・労力がかからない ・広範囲でも効率的に除草できる 除草剤のデメリット ・効果的に使うには正しい知識が必要 ・子どもやペットはもちろん、周辺の人や環境に配慮する必要がある |
除草剤を活用すれば、雑草が広範囲に渡る場合でも効率よく除草できます。ホームセンターやネットショップで販売されており、1,000円以下〜1万円を超えるものまでありますが、手軽に購入できることが魅力です。
一方で、除草剤には安全に使用するための事前知識が必要です。除草剤の注意点を押さえておきましょう。
種類 | 特徴 |
液体タイプ | ・すでに生えている雑草に効果を発揮する ・比較的即効性がある ・持続性はない |
粒状タイプ | ・まだ生えていない雑草に効果を発揮する ・即効性があるとはいえない ・地面に薬効が残るため持続性がある |
除草剤は、大きく上記の2種類に分けられます。すでに生えている雑草には、一般的に液剤タイプの除草剤を使用します。液剤タイプは、除草剤に触れた茎や葉から液剤が吸収され枯れていく仕組みです。散布後、雑草は数日から1週間程度で枯れていきます。
商品ごとに除草剤の希釈倍率や使用量は異なります。購入後はラベルや説明書をしっかりと確認し、注意点を守って正しく使用するようにしましょう。
たとえば、除草剤を使用する際には、散布時の服装や使用後の処理に気をつける必要があります。使用後は作業服の洗濯に加え、顔や手足をよく洗うなどして身体への影響がないようにしましょう。
近くに小さなお子さんやペットがいる場合、除草剤を散布した雑草に触れたり口に入れたりしないようにする配慮も必要です。
散布後に雨が降ると、茎や葉に付着した薬剤が雨で流れて効果が弱まってしまいます。しばらく雨が降らないタイミングで散布を行いましょう。
また強風時に散布をすると、意図しない場所にまで除草剤が飛散し、近隣の花壇や鉢植えの植物を枯らしてしまうケースも考えられるため、注意が必要です。
薬剤を散布する場所によっては、周辺の住民、環境、生物などに意図しない影響を及ぼしてしまう場合があります。使用する前に注意事項をよく読み、特に以下のような場合には除草剤の使用を控えましょう。
・付近に田畑や川、井戸などがある
・付近に街路樹や森林、農地や農園(菜園)などがある
・急傾斜地
隣地に除草剤が流出しないよう気を付けましょう。商品のラベルや説明書に「隣地とどの程度距離を取る必要があるか」が書かれていることもあるのでご確認ください。また、除草剤使用後の散布機などを河川や用水路で洗ってはいけません。
また、事前に周りに住んでいる方へ(学校や通学路が近くにある場合は、学校などにも)「除草剤を使用する目的、散布日時、薬剤の名前、連絡先」を周知しましょう。
【参考資料】農薬飛散による被害の発生を防ぐために|環境省
熱湯をかけるメリット ・薬剤を使わないので扱いやすい ・コストがかからず手軽に除草できる 熱湯をかけるデメリット ・根がしっかりしている場合、再度生えてくる可能性がある ・広範囲の除草には不向き |
ガスや電気ポットで沸かしたお湯を雑草にかけることで除草するのもひとつの手。薬剤を使わないので、小さなお子さんやペットがいる場合も比較的安心な対策です。
ただし、雑草の種類や生育状態によっては再度復活してくる可能性もあります。雑草を根こそぎ駆除したいときには、確実とはいえない手法です。
雑草の根がしっかりしている場合には再度生えてきてしまいます。
また、大量の熱湯を用意するには時間と手間がかかるため、広範囲の除草は難しいでしょう。もちろん、やけどなどのないよう、熱湯そのものの扱いにも注意が必要です。
草むしりのメリット ・金銭面の負担がない ・即効性が高い 草むしりのデメリット ・手作業による労力がかかる ・広範囲の場合は時間がかかることもある |
草むしりは金銭的なコストをかけることなく、誰でも思い立ったらすぐに対策できるのがメリットです。一方で、手作業ならではの労力や時間がかかるというデメリットがあります。
草むしりをするときには、根っこから引き抜くのがポイントです。雨が降った後など、土がやわらかくなっている状態で行うとスムーズに進めることができます。
なお広範囲に雑草が生えている場合は長時間の作業となるため、季節によっては熱中症対策が欠かせません。
草刈り機のメリット ・草むしりよりも労力が少ない ・即効性が高い 草刈り機のデメリット ・初心者には使いにくい |
草刈り機は、手作業での草むしりよりも労力と時間をかけずに除草できるのがメリットです。
価格は種類によって異なりますが、1万円から5万円ほどで購入が可能。初心者は使いにくく感じるかもしれませんが、扱いに慣れてしまえば簡単に除草ができます。
草刈り機は取り扱いを誤ると怪我をする・怪我をさせる危険性もあるため、取り扱いには十分注意しましょう。実際に使用するときには、以下の点に留意してください。
・説明書の使用上の注意をよく読む
・刃の付け替えや草が絡まった際には必ずバッテリーを抜く
・周囲に障害物や人がいないか確認する
・ゴーグルや手袋を着用する
また草刈り機は、動力・刃・ハンドルなど種類ごとに異なる特徴を持っています。
動力 | ・電動式 ・充電式 ・エンジン式 |
刃の種類 | ・金属刃 ・ナイロンカッター ・チップソー ・樹脂刃 |
ハンドル | ・両手ハンドル ・ループハンドル ・ツーグリップハンドル |
上記を参考に、使う面積や重さなどを考慮しながら自身に合った種類を選びましょう。手軽さを重視するなら、エンジン式と違ってガソリンやオイルが不要な充電式や電動式(コード式)がおすすめです。ただし、充電式はエンジン式などと比べて連続稼働時間が短くなるというデメリットもあります。
刃の種類は、柔らかい雑草に対してはナイロンカッタータイプ、笹のように硬い雑草に対してはチップソーや金属刃、駆動音の静かさ重視なら樹脂刃など使用用途に合わせて選ぶと良いでしょう。
プロに依頼するメリット ・労力がかからない ・クオリティの高い仕上がりが期待できる プロに依頼するデメリット ・依頼料のコストがかかる ・発注先選びに慎重になる必要がある |
自分で対策するのが難しい場合は、プロに依頼するのが現実的な手段でしょう。金銭的なコストはかかるものの、専門家ならではのノウハウを活かしたクオリティの高い仕上がりが期待できます。
除草対応は植木屋や造園会社をはじめ、ハウスクリーニングなどでも行っています。納得のいく金額やクオリティで依頼するためには、複数の業者に見積もりを依頼し、比較してから決めるのがおすすめです。
すでに生えてきた雑草を取り除いた後は、これから雑草が生えない工夫を凝らすことが重要になってきます。続いて、今後生えてくる雑草対策に使えるグッズと使い方、注意点について見ていきましょう。
除草効果 | 安全性 | 見た目 | コスト | |
除草剤 | ◎ | △ | ○ | ◎ |
防草シート | ○ | ◎ | ○ | ○ |
低木類など植栽の追加 | ○ | ◎ | ◎ | △ |
舗装 | ◎ | ◎ | △ | ○ |
ウッドデッキ の施工 |
○ | ◎ | ◎ | △ |
石やレンガ貼り
の施工 |
◎ | ◎ | ◎ | △ |
これから生えてくる雑草対策には、一般的に液剤タイプではなく粒状タイプの除草剤を使います。価格は種類や量によって異なりますが、液剤タイプと同じく1,000円以下〜1万円ほどで手に入ります。
粒状タイプの除草剤は、土に撒いて浸透させることで、雑草を根から枯らしてくれます。効果が現れるまでは1週間以上の時間がかかりますが、3〜6ヶ月の持続性が期待できます。
地面に浸透していく粒状タイプの除草剤は、一定期間に渡って薬効が残るのが特徴です。
除草剤の注意点①ラベルや説明書で正しい使用法を確認する
商品ごとに使用量が異なります。購入後はラベルや説明書をしっかりと確認し、注意点を守って正しく使用するようにしましょう。
たとえば除草剤を使用する際には、散布時の服装や使用後の処理に気をつける必要があります。使用後は作業服の洗濯に加え、顔や手足をよく洗うなどして身体への影響がないようにしましょう。
また小さなお子さんやペットがいるご家庭は、除草剤を散布した雑草に触れたり口に入れたりしないようにする配慮も必要です。
除草剤の注意点②天候を見て散布日を決める
強風時に散布をすると、意図しない場所にまで除草剤が飛散し、近隣の花壇や鉢植えの植物を枯らしてしまうケースも考えられるため、注意が必要です。
除草剤の注意点③周囲に配慮する
下記の場合は、除草剤の使用を控えましょう。
・付近に田畑や川、井戸などがある
・付近に街路樹や森林、農地や農園(菜園)などがある
・急傾斜地
隣地に除草剤が流出しないよう気を付けましょう。ラベルや説明書に「隣地とどの程度距離を取る必要があるか」書かれていることもあるのでご確認ください。
また、事前に周りに住んでいる方(学校や通学路が近くにある場合は、学校などにも)へ「除草剤を使用する目的、散布日時、薬剤の名前、連絡先」を周知しましょう。
【参考資料】農薬飛散による被害の発生を防ぐために|環境省
除草剤の散布や草むしりをした後に防草シートと敷材を組み合わせて敷き詰めると、その後の雑草の発生をしっかりと抑制できます。
防草シートとは、日光を遮断することで雑草の発生を抑制してくれるシートです。この防草シートの上に人工芝や砂利、ウッドチップなどの敷材を敷くことで、より高い効果が期待できます。シートがむき出しにならないため、美観を保てるのも魅力です。
防草シートの価格は1㎡あたり数百円〜数千円とさまざまですが、価格の安さよりも耐久性などの品質の高さで選ぶのがおすすめです。素材によっては破れてしまい、せっかく敷いた防草シートの意味がなくなってしまいます。
また、施工時の注意点を守らずに敷いてしまうと、後から剥がれてしまったり、隙間から雑草が生えてきたりすることもあります。十分な効果を発揮させるためにも、正しい施工方法を遵守しましょう。工事をプロに依頼することも可能です。
ツツジといった低木類やグランドカバープランツを植えるのも、雑草対策として有効です。グランドカバープランツとは、地面を覆うように広がって育つ草花のことをいいます。低木類やグランドカバープランツを植栽すると地面に光が当たらなくなるため、雑草が発生しにくくなります。景観に彩りを添えてくれるのも嬉しいポイントです。
雑草対策をしながら草花を楽しめる一方で、植栽やお手入れに手間とコストがかかるのはデメリットといえるかもしれません。
また、植物の種類によっては繁殖力の強さゆえに広がりすぎてしまい、手に負えなくなるケースもあります。植栽する植物の種類は慎重に選ぶようにしましょう。
コンクリートや防草砂で舗装をすれば、賃貸物件周りの景観を美しく整備しながら雑草対策することが可能です。防草砂の価格は種類や量によって異なるものの、10kg〜20kgあたり数百円~数千円ほどで購入が可能です。
舗装の際には、事前に理想の雰囲気をイメージしてから施工をしましょう。たとえばコンクリートによる舗装は、土の地面と比べると少々殺風景な印象に仕上がります。
また防草砂には、水と混ぜることで固まるタイプと、土を敷き詰めるだけの固まらないタイプがあります。効果的かつ長期的に雑草を抑制したい場合は固まるタイプを、施工の簡易性や景観への馴染みやすさを重視する場合は敷き詰めるタイプを選ぶとよいでしょう。
ウッドデッキの施工によって地面に当たる日光を遮り、雑草を生えにくくする方法もあります。ウッドデッキは、バーベキューをしたりビニールプールを設置したりと、幅広い目的で使用できるのも魅力。ウッドデッキの下や周りに防草シートを敷けば、さらに雑草対策を強化できます。
ウッドデッキの施工には、数十万円ほどのコストがかかります。そこまでのコストをかけたくない場合や、景観を大きく変えたくない場合には現実的ではないかもしれません。
またウッドデッキの下に防草シートを敷かなければ、将来的にその隙間から雑草が生えてくることもあります。雑草対策を徹底するなら、防草シートを敷いてからの施工が必須です。
石とレンガにはさまざまな形や柄があるため、玄関部分までのアプローチを和の雰囲気に仕上げたり、洋風の庭をつくったりと自由な設計が可能。理想の外観を叶えられるだけでなく、高い防草効果が期待できるのもメリットです。
石やレンガを敷く場合もウッドデッキと同様に造園会社などに依頼するのが一般的。1㎡あたり2万円前後の費用がかかるため、予算に応じて見積もりを依頼しましょう。
なお雑草対策の観点では、石やレンガを敷き詰める場合にも先に防草シートを敷いておくことが重要です。
雑草対策には時間と手間がかかるほか、生い茂るほどにのリスクも生じます。賃貸物件のイメージダウンによる退去や空室を避けるためにも、物件の雑草が気になり始めたら、早めの行動が肝心です。
「頻繁な除草は難しい」「コストが心配」という方も、まずは管理会社に連絡をすることから始めましょう。
エイブルの賃貸管理では「建物巡回清掃サービス」のオプションで草抜きを行っています。手間がかかる除草作業を代行しているので、雑草対策でお困りの際は一度ご相談ください。