アパートローンを好条件で借り入れるポイントは事業計画書
賃貸経営を始めるうえでアパートローンを検討している方が頭を悩 […]
アパートローンの借入では、金額の上限のほかに金利のことも考えなければいけません。利益を上げながらキャッシュフローを安定させるためにも、金利相場をしっかり把握しておく必要があります。
今回は各金融機関のアパートローンの金利相場を紹介していきますので、アパートローンを利用するかどうか悩んでいる方は参考にしてみてください。
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アパートローンの融資環境としては、不正融資問題による融資の引き締めや、新型コロナの影響による融資相談の増加など、少々厳しい状況が続いているためけっしてよい環境とはいえません。
しかし、金利相場に関しては金融政策の緩和によって低金利が続いているので、アパート経営を検討している方にとってはよい状況といえるでしょう。しかし、変動金利のためいつ金利が上がるかどうかわかりませんし、金融政策の見直しがおこなわれることもあるので、アパートローンの借入を検討している方は各金融機関の金利をしっかり比較しましょう。
アパートローンの融資は、メガバンクや都市銀行、信用金庫などの金融機関から受けることになりますが、それぞれの機関によって異なる審査基準が設けられています。また、物件の資産価値や事業計画、融資を申し込んでいる人の家族構成や経済状況でも金利が変わります。ここからは、これらの点を踏まえたうえで金融機関の金利相場を比較していきますので、融資を受ける前に一度チェックしてみください。
メガバンク・都市銀行は、三井住友銀行・りそな銀行・みずほ銀行・三菱UFJ銀行の4行を一般的に指しますが、金利相場は2~3%前後が相場となります。メガバンク・都市銀行は比較的低金利であり、長期の借入も可能というのがメリットです。
ただし、金利相場が低いだけに審査基準はどこも厳しく、とくにアパートローンの対象である物件に対しては、築浅や新築などの条件がついていることがほとんどです。オーナーの年収や自己資金の有無も審査基準となっており、少しでも不安要素がある場合、融資を受けるのは難しいかもしれません。
地方銀行の金利相場は幅があり、低いところでは2%台、3%~7%程度が金利の相場となります。メガバンクと比べて金利に幅があるのは、地方では地域によって人口の減少が進んでいたり、逆に発展していたりするなど、住環境が異なることが原因だといわれています。また、地方銀行ではスルガ銀行不正融資問題以降、アパートローン商品を積極的に打ち出していない現状が続いているようです。
しかし、地方銀行は都市銀行よりも審査に融通を利かせてくれることもあり、また地域密着型であることを強みとしています。そのため、交渉次第では金利の引き下げなどに応じてもらえる可能性があり、融通も利きやすいというメリットがあります。
信用金庫や信用組合の金利相場はおおよそ2%となりますが、なかには1.8%など2%を切る金融機関もあり、地方銀行よりも安い金利で融資が受けられる可能性があります。ただし、信用金庫や信用組合は、信用金庫法によって営業できる地域が金融庁で定められているため、物件のエリアによっては活用できないかもしれません。しかし、営業地域に該当していれば低金利での借入ができる可能性があるので、事前に確認しておくとよいでしょう。
株式の100%を国が保有している特殊な金融機関である日本政策金融公庫では、「アパートローン」というくくりの融資制度はありませんが、新規開業資金などを利用して融資を受けることができます。金利は、要件を満たしているかどうか、担保の有無などによって異なりますが、1.06~2.15%が相場となります。
財務省が管轄しているので公益性が高く、若者のほか、高齢者の利用も多いです。しかし、交渉は借入をする本人がおこなう必要があり、不動産会社など交渉のプロに頼ることはできません。
アパートローンを借りるときは、なるべく複数の金融機関を比較しましょう。低い金利の金融機関にローンを申し込めばよいと思う方もいるかもしれませんが、単に金利だけで借入先を決めるのはNGで、借入条件も考慮して決める必要があります。
借入条件は金融機関によって異なります。また、借入条件の基準を満たしている、もしくはそれを超える物件であれば引き下げ交渉をすることができ、結果次第でより安い金利で融資を受けられるようになるでしょう。
ただし、交渉できるのは明らかに好条件で黒字経営が望める物件というケースが多く、凡庸な物件では金利を下げてもらうのは難しいでしょう。金利の交渉は専門知識や経験も関わってくるので、困ったときはノウハウをもっている方に相談してみてください。
アパート経営では、入居率を上げて家賃収入を安定させることも大事ですが、収益に関わる金利も無視できません。アパートローンは借入額が大きいので、たった1%違うだけでもキャッシュフローに差が出てくることをしっかり理解しておく必要があります。しかし、融資や金利などアパートローンの仕組みはとても複雑なので、専門知識のある不動産会社などに相談しながら無理のない返済計画を立てましょう。