キッチンリフォームのポイントをまるっと解説!
入居者が賃貸物件を選ぶ際、間取りや立地のほかに、室内設備がど […]
ライフスタイルの変化で、賃貸物件は畳よりフローリングなどの木材調の素材が主流になり、和室から洋室へのリフォームも増えています。一般的には、畳よりもフローリングの需要が高いといえるでしょう。特に若い世代においては、和室のある物件で生活したことがないという人も多いのではないでしょうか。
今回は、畳をフローリングなどの素材にリフォームする際の注意点や、床材の種類などもご紹介します。畳からフローリングへのリフォームをご検討中の大家さんは必見です!
目次
和室から洋室のリフォームの第一歩は、畳をフローリングに変更することです。床のリフォーム頻度は15年が目安といわれていますが、畳のメンテナンスの頻度はもっと多く、入居者が変わるたびに裏返し、その後5年ぐらいで表替え、10〜15年ほどで新調となります。
古い畳はあまり印象がよくないため、入居率も下がりがちになります。畳の張り替えのタイミングで、思い切ってフローリングに変更するのも空室対策としては有効でしょう。
畳をフローリングに変えるだけでも、部屋の印象は変わります。しかし、床をフローリングにして洋室風にしても、壁や天井がそのままでは、和室の雰囲気が強く残ってしまいます。
特に部屋の印象を大きく左右するのは、面積の広い天井や壁です。たとえば、和室の天井は板張りであることが多いため、クロスを貼って洋室の雰囲気に変えることができます。また、壁が砂壁の場合も和の雰囲気が強調されるため、クロスを貼って対応したほうがよいでしょう。
和室っぽさが残る建具や長押(なげし)も、洋室の雰囲気に合わせて変えるのがおすすめです。建具がふすまの場合は引き戸に変えたり、洋風の壁紙を貼ったりする方法があります。長押が撤去できない場合は、洋室の雰囲気に合わせて塗り替えたり、あえて残して和モダンな部屋にしたりもできます。
ちぐはぐな部屋にならないよう細かい点まで気を配るべきですが、予算も含めて何をどこまで対応するかを判断する必要があります。プロにも相談しつつイメージを具体的に決めてから、リフォームに入るようにしましょう。
畳からフローリングへのリフォームに必要な期間は、6畳の和室であれば1日程度です(※床の状況によって変動する場合があります)。
畳をフローリングに変えただけでは中途半端な洋室になってしまいます。部屋全体をリフォームする場合は、その分の日数も計算するようにしましょう。
畳をフローリングにするための手順をご紹介します。和室から洋室にリフォームする際には、畳を剥がしてフローリングにするのが一般的です。
<畳→フローリングにする手順>
1.畳を剥がす
畳を剥がして撤去します。このときに下地の状態を見て、必要な作業がないかを確認します。
2.下地材を補修して高さを整える
多くの畳は厚さがあるため、畳を剥がすと床の高さが低くなります。この状態のままフローリングを貼ると、和室とつながる廊下や部屋との段差ができてしまうため、高さ調整の作業が必要です。根太(ねだ)と呼ばれる床板を支える木材の上に合板を貼り、高さを調整します。
3.断熱材を入れる
下地の木材の間に、断熱材を敷き詰めていきます。
4.フローリング材を貼り付ける
建材用の接着剤を使い、フローリング材を貼り付けていきます。反りを防ぐために、目立たない部分に釘やビスを打つ場合もあります。
また、フローリング材選びも重要なポイントです。フローリング材には、主に無垢フローリングと複合フローリングの2種類があります。無垢フローリングは、丸太から切り出したフローリング材のことです。木材特有のぬくもりがあり、調湿や断熱効果がある点が特徴です。
一方、複合フローリングは、基材となる合板に、薄くスライスした板や木目がプリントされたシートなどを貼ったフローリング材を指します。反りや伸縮がしにくく、施工しやすい点が特徴です。一般的には、無垢フローリングの方が費用はかかります。
フローリング材の種類やメリット・デメリットについては、後述の「【床材の種類別】メリット・デメリットを徹底比較」にて詳しく説明しているので、そちらを参考にしてみてください。
なお、畳の上からウッドカーペットを敷いたり、フローリング材を敷いたりする方法もあります。どちらの方法も費用をあまりかけず、手軽にリフォームが可能です。
ただし、畳とフローリングの間に湿気がこもり、カビが生えやすいなどのデメリットもあります。リフォーム費用は抑えられますが、長い目で考えると畳を剥がしてフローリングにするほうがよいでしょう。
それでは実際に、畳からフローリングにリフォームする際の注意点を見ていきましょう。
畳は通気性が高い床材なので、部屋の湿気を吸ってくれるという特徴があります。湿気の多い部屋では、畳からフローリングにリフォームすると、調湿性が下がり結露の原因となる場合があります。
また、畳は板材に比べて断熱効果がある素材です。フローリングにする際には、床に断熱材を入れるなどの対策も検討しましょう。
畳の厚さは40〜50ミリですが、それに対してフローリングは10ミリ前後と薄い床材で、畳に比べると防音性に劣ります。そのため、畳からフローリングにリフォームした後に、下の階からクレームが来てしまうことも少なくありません。
また、分譲マンションの場合は管理組合等の承諾が必要な場合もありますので、注意が必要です。2階以上のリフォームでは、遮音性の高いフローリングをおすすめします。
畳からフローリングにリフォームする際、全体の雰囲気に合った床材を選ぶ必要があります。
たとえば、落ち着いた雰囲気の和室に明るめの木目のフローリングなどを選んでしまうと、床だけが浮いてしまいます。リフォームしても違和感のある部屋になってしまうため、クロスや建具なども一緒にリフォームするのがおすすめです。
それでは、和室から洋室にリフォームする際の床材の種類とメリット・デメリットをご紹介します。
床材の種類 | メリット | デメリット |
無垢材
フローリング |
・単板でできていて自然な風合い。
・柔らかく肌触りがよい。 ・削って補修ができる。 |
・価格が高い。
・湿気によって膨張・収縮し、反り返ってしまう。 ・床暖暖房に対応できない。 |
複合
フローリング |
・反りや収縮がない。
・素材が安定している。 ・デザイン性や色の選択肢が多い。 ・防音効果があるものもある。 |
・傷がついたら貼り直しが必要。
・高性能の床材になると価格が高い。 |
クッション
フロア |
・価格が安い。
・汚れや傷がつきにくい。 ・掃除がしやすい。 ・クッション性がある。 ・消音効果がある。 |
・家具や家電などを置くと凹みができる。
・熱に弱い。 ・見た目が安っぽくなる。 |
フロアタイル | ・汚れや傷がつきにくい。
・掃除がしやすい。 ・家具や家電を置いても凹まない。 ・デザインや色が豊富にある。 |
・クッションフロアよりも値段が高い。 |
フローリングは単板から作られていて、主に注文住宅で使われることが多い床材です。とても高価でさらにメンテナンスが必要なので、賃貸住宅で使われることはほとんどありません。
一般的に賃貸住宅で使われているフローリングは、複合フローリングとなります。合板の上にさらに薄い木材を貼り付けたものであり、無垢材フローリングより価格は安いですが、複合フローリングを採用している賃貸住宅はグレードが高いという印象です。
賃貸住宅でよく使用されているのは、木目調のクッションフロアであり、ポリエステル塩化ビニール製のシートで、こちらは比較的安価となっています。お手入れもしやすいことから賃貸住宅でも多く取り入れられている床材です。リビングや寝室はフローリングでも、脱衣所やキッチンがクッションフロアという物件も多くなっています。
フロアタイルは、クッションフロアと同じくポリエステル塩化ビニール製ですが、クッションフロアと違い、表面が固く重い家具や家電などを置いても、凹みなどの跡がつきにくいです。また、木目調や大理石調など種類も豊富で、人気の床材となっています。
今回は、畳をフローリングにリフォームする際の注意点や、床材の種類などをご紹介しました。近年は畳に慣れない世代も多く、フローリングの需要が高い傾向にあります。所有する賃貸物件が畳の場合は、畳からフローリングへ変えるだけで、入居率がアップする可能性が高いです。
しかし、畳からフローリングにリフォームする際には、床だけでなく部屋全体の雰囲気を合わせるなど、細かな点に注目することも大切です。
畳をフローリングに変えても、天井や壁、ふすまなどが残ったままだと和の雰囲気が強調されます。完全に洋室にするなら、畳以外もリフォームが必要です。和洋折衷の和モダンな部屋にする場合でも、全体の統一感を考えてリフォームをする部分と残す部分を決めなければなりません。
また、畳をフローリングにする際には、湿気や防音にも気を使う必要があります。しかし、これらの注意点は、床材選びで防ぐことも可能です。
フローリングは、多くの入居者にとって優先度が高い条件です。空室対策でお悩みの大家さんは、イメージと予算を合わせながらリフォームを検討しましょう!