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これからアパート経営を始めようと考えている方で、気になるのは初期費用や維持費ではないでしょうか。アパート経営をするうえで、どのくらいのお金が必要なのかを把握するのは大切です。
そこで今回はアパート経営に必要な費用や、自己資金が少ない人でも資金ゼロで始める方法をご紹介します。
初期費用だけでなく、アパート経営後も毎月の維持費用や必要な費用を知ることで、安定したアパート経営を始めましょう。
目次
アパート経営に必要な建築費や維持費、初期費用の目安についてご紹介します。
建築費の全国平均
木造 | 鉄骨造 | RC造 | |
建設費用 (坪単価) |
平均56.3万円 | 平均79.2万円 | 平均82.4万円 |
東京都の建築費
木造 | 鉄骨造 | RC造 | |
建設費用 (坪単価) |
平均58.5万円 | 平均96.7万円 | 平均104.0万円 |
各種諸費用・維持費(100坪以下の場合)
発生時期 | 費用項目 | 目安 |
初期費用 | 測量費用 | 30万〜80万円(規模や業者により異なる) |
印紙代 | 5000万円超1億円以下なら6万円 | |
ローン手数料 | 5〜10万円(金融機関により異なる) | |
登録免許税 | 固定資産税評価額✕税率 | |
司法書士手数料 | 6〜7万円 | |
火災・地震保険費用 | 構造・補償内容により異なる | |
不動産税所得税 | 固定資産税評価額✕3%(2021年3月31日まで) | |
毎月発生 | 共用部分の光熱費 | 5000円〜1万円 |
損害保険料 | 1〜10万円 | |
管理費(委託の場合) | 家賃✕5% | |
ローン返済 | 自己資金や購入金額により異なる | |
随時 | 仲介手数料 | 家賃の半月分 |
固定資産税 | 固定資産税評価額✕1.4% | |
修繕費 | 購入物件により異なる |
アパート経営の初期費用は主に建築費です。
アパートの建築費は「坪単価✕延べ床面積」となります。例えば東京都で1階が50坪の2階建ての木造アパートを建築すると仮定します。
アパートの建築費は「坪単価✕延べ床面積」で考えるため、本体建築費用は単純計算で58.5万円×100坪で5,850万円です。
建築費以外にも、電気工事費などの付帯工事費用がかかります。目安は建築費の20%とされているため、この場合は約1,170万円が必要です。
さらに諸費用は建築費の約5%とされているので、約293万円を予備費となります。
これらを合わせると、アパートの建築にかかる初期費用は7,313万円です。
ただし、坪単価の相場は地域や構造でも変化をするため、条件により建築費は異なります。
アパート経営をするにあたり、土地がある場合と無い場合では、費用にどのような違いがあるのでしょうか。詳しく見ていきましょう。
すでに土地を持っている場合は、土地購入費や購入にかかる仲介手数料などが必要なく、建築費+各種諸費用で経営を始められるメリットがあります。
例えば東京都で50坪の木造アパートを建築した場合は2,925万円です。また付帯工事費が建築費の20%、諸費用が建築費の5%となるため、トータルの初期費用の目安は約3,656万円となります。
しかし、所有している土地がアパート経営に向いていない場合はデメリットとなるでしょう。安定した収入や節税を目的にアパートを新築しても、入居者が入らなければ意味がありません。
土地がない場合は建築費や各種諸費用に加え、土地購入費用がかかります。人気の街、吉祥寺がある武蔵野市の場合、平成31年度の地価は55万9千円/㎡です。50坪の土地を購入する場合は土地購入費用だけで約9,000万円となり、これに仲介手数料や土地不動産所得税、土地登録免許税がかかります。
土地がある場合に比べると、初期費用に多額の費用がかかる点がデメリットとなります。一方で大型商業施設や大学が移転する予定があるなど、周辺環境によってはアパートの需要が高まるため、アパート経営に適した土地を得られるのはメリットです。
アパート経営に必要な建築費用の相場は、50坪の木造建てのアパートを建てる場合、以下のようになります。
建築費 | |
東京都(坪58.5万円) | 2,925万円 |
神奈川県(坪54.9万円) | 2,745万円 |
埼玉県(坪53.8万円) | 2,690万円 |
千葉県(坪55.4万円) | 2,770万円 |
アパート経営に必要な費用が分かりましたが、自己資金はどのくらい必要なのでしょうか。
自己資金の目安と計算方法についてご紹介していきます。
自己資金は自身の預金から支払う現金のことです。この自己資金には頭金と各種諸費用が含まれており、「自己資金=(頭金+各種諸費用)ー融資金額」という計算方法になります。
またアパート経営の自己資金の目安は、一般的に物件価格の2〜3割程度とされています。しかしこれに限らず、自己資金が多いほど融資の審査が通りやすくなります。
アパート経営には物件価格によっては多額の自己資金が必要となります。せっかくアパート経営を始めようとしても、手元にまとまった現金がない方は諦めるしかないのでしょうか。
しかし、資金ゼロでもアパート経営を始めることは可能です。資金ゼロで始めるには金融機関からフルローンで融資を受けます。ただフルローンで借りられる金融機関はごくわずかですので、正直難しいでしょう。
フルローンで自己資金が少なくてもアパート経営ができますが、注意点が2つあります。
まず一つ目は、金利が高くなるという点です。
自己資金が少ない資金ゼロの場合、金融機関は回収できないリスクが大きいと考え金利を上げます。
二つ目はローンの返済が出来ない可能性があるということです。
想定外の支出や空室の増加で収入が得られない場合、毎月の返済が滞ってしまう可能性があります。収入が減るリスクに備え、返済額の数ヶ月分は手元に残しておいたほうがよいでしょう。
アパート経営を始めるうえで、中古物件と新築物件どちらを選ぶかで利回りが変わります。それぞれのメリット・デメリットをふまえ物件を選びましょう。
中古物件の一番のメリットは高利回りを狙いやすいという点です。
中古物件はすでに入居者がいるため家賃が安定しており、また物件価格も安いので高利回りを狙えます。
ただし築年数の経過により、新築よりも早い段階で修繕や改築費用が必要となります。また入居者を増やすために最新の設備を投入するなど、当初の予想よりも費用がかかる場合があります。
新築物件担保価格が高いため、金融機関からの融資が受けやすくなります。また入居者からは新築の人気が高く、部屋が埋まりやすいメリットがあります。
しかし新築物件は多額の初期費用がかかり、ローン返済の金利もあるため、中古物件に比べると利回りは低くなる傾向があります。
新築物件の場合はニーズの高い立地を見極め、適切な家賃設定が必要です。