賃貸物件の又貸し・無断転貸をチェックする方法。発覚時の対処法や防ぎ方
賃貸経営でなるべく避けたいのが入居者によるトラブルです。最近 […]
すでに分譲マンションを所有しているのに、転勤や新居購入などで引越しをしなければならなくなった。相続することになったが、使用する予定がない…そんな場合、売るという選択肢の他に賃貸物件として貸し出す方法があります。賃貸にすれば家賃収入が得られます。
貸出後に戻る予定がある場合は、契約時に決めた期間が満了になった時点で、更新されることなく確定的に賃貸借契約が終了する定期借家(※)で契約するのがおすすめです。
とは言え、貸し出すということは賃貸業を始めることになるので、賃貸経営の知識が必要です。ここでは、分譲マンションを貸し出す手順やメリットデメリットを紹介します。
※参考記事
定期借家契約のメリット・デメリット!貸主が知っておくべきトラブル回避の方法も解説
目次
最初から貸し出すつもりで分譲マンションを購入しているのであれば、貸し出す段取りを分かっているでしょう。しかし、急な引越しが決まった場面で貸す選択をした場合、何から手をつければいいか分からないかもしれません。
また、分譲マンションの貸し出しにはメリットだけでなくデメリットもあるので、理解しておく必要があります。家賃収入が得られるから、という考えだけで賃貸業を始めてしまうと失敗のリスクもあるので、デメリットを踏まえたうえで検討しましょう。
分譲マンションを貸すメリットは、主に3つ挙げられます。
1.家賃収入が得られる
貸し出せば、毎月家賃が支払われます。それは、そのまま収入になるので、極端に言えば働かなくても家賃収入が得られます。
また、立地や周辺環境にもよりますが、分譲マンションは設備が充実しており、賃貸用マンションよりも家賃を高く設定できる場合が多いのもメリットです。
2.マイホームを維持できる
転勤から戻ってくる可能性がある場合、マンションを売却してしまうと、また家探しをしなければなりません。賃貸にしておけば、マイホームを維持できるので今後の状況に変化があったとしても柔軟に対応できるのがメリットです。
3.節税対策ができる
家賃収入というのは不動産所得になるので、分譲マンションの固定資産税を経費にできます。ローンが残っている場合、その返済も経費となるため所得税が少なくなります。
また、相続税というのは不動産評価額を元に算出しますが、賃貸に使用した不動産は評価額が安くなるので相続税も安くなるなど節税対策ができるというメリットがあるのです。
分譲マンションで賃貸経営をすることは、メリットがある反面デメリットもあるのでチェックしておきましょう。
1.貸主として各種トラブルに対応しなければならない
部屋を貸し出すということは、自分が貸主になるということです。そのため、賃貸物件で発生するトラブルに対応しなければなりません。
騒音問題やゴミの捨て方問題、家賃滞納などのトラブルがあった場合、自分で解決する必要があるため、賃貸経営の知識がない方にとっては精神的な負担が生じるデメリットがあります。
2.賃貸物件にするための費用がかかる
人に貸し出す場合は、部屋のクリーニングや設備の点検、不具合がある場合は修繕などの費用がかかります。
また、賃貸人には修繕義務があるため、退居後は貸主が修繕しなければなりません。マンションの築年数によっては、高額な修繕費がかかる可能性がある点もデメリットです。
3.確定申告をしなければならない
副業的な家賃収入であっても、給与所得以外で年間20万円以上の所得がある場合は確定申告をしなければなりません。家賃収入は不動産所得となるため、収入金額から必要経費を引いた分の所得を確定申告するという手間がかかるのもデメリットです。
賃貸経営の経験がない場合、自分で入居者を探したり管理したりするのは難しいのが実情です。そのため、未経験者の方は以下のステップを参考にしてください。
1.不動産会社に依頼する
2.賃借人との契約の種類を選ぶ
3.周辺の家賃相場を調べて家賃を決定する
4.入居者の募集開始(不動産会社が担当)
5.入居者が決まったら契約を締結する
以上が大まかな流れになりますが、ほとんどの場合、不動産会社が進めてくれるので信頼できる会社を選ぶことがもっとも重要と言えます。
分譲マンションを貸す場合、貸すまでの費用、不動産会社への費用、貸している間にかかる費用が発生します。
項目 | 費用の目安 | |
貸す前にかかる費用 | ・ハウスクリーニング
・経年劣化改善のためのリフォーム
|
50,000円~
浴室30~150万円 キッチン25~100万円 |
不動産会社への費用 | ・管理委託手数料
・仲介手数料 |
家賃の3~10%
家賃の1ヶ月分以内 |
貸している間の費用 | ・マンション管理費
・修繕積立金 |
物件により異なる
物件により異なる |
あくまでも一例ですが、このような費用が発生するので、できるだけ正確に必要なコストを算出しておきましょう。
必要な手続きについては、不動産会社に確認のうえ一つずつ進めていきましょう。
分譲マンションを貸すと、家賃収入が得られたり節税対策ができたりするメリットがあるものの、賃借人としての修繕義務が発生します。借主の故意や不注意であれば原状回復費用を請求できますが、画鋲の穴やカーペットの凹み、経年劣化によるものは自身で修繕費用を負担しなければなりません。
賃貸経営では、賃貸人としての責任が生じるので、メリットばかりではないことを理解した上で最適な選択をしましょう。